中国企業がまた新たな「海外進出」に動いている。8月27日、錦江酒店(中国エリア)とマレーシアのホテル運営会社RIYAZが事業提携をすることで合意し、これを機にRIYAZがホテル管理会社「RJJ Hotels」を設立したと発表した。この会社と錦江酒店が、今後5年間でマレーシア、インドネシア、ベトナム、ラオス、カンボジア、フィリピンに計180軒以上のホテルを建設するための管理ライセンス契約を結んだという。
錦江酒店はまた5年間で、東南アジア全体で計500軒以上(自社運営およびRJJとの提携事業)のホテルを設ける予定という。
RJJ Hotelsは今後、錦江酒店の傘下である錦江都城、麗楓、錦江之星、暻閣、雲居の5社に対し、これら6か国でのホテルの開発や建設事業の支援、運営管理を実施する。現地に駐在する錦江酒店のスタッフとともに新規建設事業を支え、「大規模」な海外進出を推進する。
発表会の会場では、マレーシアの国営企業であるPermodalan Satok Berhad(PSB)とRIYAZがサラワク州での錦江都城のホテルでの合弁管理契約を締結した。錦江都城が初めてマレーシアに上陸したことになる。
またこの場でRJJ Hotelsは、東南アジアのホテルの事業主や投資家と計11件にわたるホテルの管理契約や覚書を取り交わした。このうちラオスのルアンパバーン郡における錦江都城のホテルは、最も早く来年初めにオープンの予定である。
RIYAZは 2008年設立でクアラルンプールに本社があり、The RIYAZ、Dash、The Pure、TAN YAA、Vivids HOTELの計5社を有し、エコノミー型から高級リゾートタイプのホテルまでカバーしている。立地場所はマレーシア、ベトナム、ラオスなどで、軽資産タイプと重資産タイプの両方の事業を実施している。

ハイクラスからエコノミー型まで計30種類以上の運営会社をそろえている錦江酒店は今後、「軽資産での参入+現地定着」とのモデルで、東南アジアで開発から建設、運営まで一貫した自社サイクルの管理体制を整える。東南アジアではRIYAZとの提携だけでなく、自社のスタッフを駐在させて、中国人従業員とプロパーの両者による現地運営体制として、上記の5社による本格的な「海外進出」を加速させる。さらに現地のマーケットに入り込んで様々な銘柄を浸透させ、向こう5年間で、東南アジア全体で計500軒以上(自社運営およびRJJとの提携事業)を運営する。現在はマレーシア、インドネシア、ベトナムなどに管理スタッフを駐在させている。
錦江国際集団の周維副総裁は、「東南アジアは当社が力を入れている市場であり、RIYAZと手を結ぶことで現地の長期的な足場固めにつながる。地域の成長へ各国の資源を導入し、新たな取り組み方を提供する」と述べている。
錦江は過去にも海外進出を試みた経験があり、何年か前に「ラディソンホテル」や「ホテル デュ ルーブル」の買収や各社の統合といった形でグローバルなホテル運営ネットワークを設立している。ただし、体系的で大規模な「海外進出」は今回が初めてである。
錦江酒店によると、今回の「海外進出」は決して各社個別の売り込みではなく「管理+ブランド+サプライチェーン+システム」という一連のものであり、錦江のグローバル購買サイト、錦江旅游、錦江薈などとともに現地の体系的な力に合わせた形の進出で事業をより改善するものという。
錦江グローバル購買サイト(GPP)の最高経営責任者である厳蔡華氏は、「今はヨーロッパにあるGPP海外版や国際物流、保管、納入を受け持つ海外の特約提携事業者NOVACが存在するので、中国から仕入れたホテル関連の商品を一括でアジア太平洋に運ぶ形で『国内資源+現地サービス』とのモデルが出来上がる」と述べている。「ローカライズ」という原則についても、東南アジア内での調達に力を入れており、現地製造をしている中国企業から優先購入していくという。
上海錦江国際観光の瀋敏副総裁は、海外での新事業実施に向けて宿泊・観光の一体化という強みを十分に生かすと言う。「観光業は地域繁栄への大切なエンジンであり、今後は国際的なサービス網やMICE(会議、観光支援、大規模イベント、見本市)を統合することで、東南アジアの新規ホテル運営案件とより緊密な連携体制を整えていく」と述べている。

公開情報によると、ベトナム、タイ、マレーシアなどでは迎える海外観光客のうち中国人が3年連続で最も多く、観光収入に占める割合も25%以上となっている。産業チェーンの世界的な再編や中国企業の「海外進出」加速という流れの中、人口も多く潜在力があり地位が向上している東南アジアは、グローバル化を目指す中国企業にとって最優先地域となっており、現地では海外への往来者数が急増している。
勁旅網の創業者である魏長仁氏は、「中国の宿泊業は急速に伸びて競争も激しくなっている故に、各社とも『未開拓市場』を求めて『海外進出』に走っている。東南アジアはその点、すぐに開拓できる市場だ。今回の錦江系ホテルの『海外進出』は、以前の個別形式による進出とは違ってずっと体系的であり、ブランドやサプライチェーン、観光、地域の統合管理など一体的な発展をしているので、東南アジア全体の開拓につながる。ただし各国間の違いに注意すべきであり、現地の経済や法律、文化などを知って差別化に伴うリスクを交わさなくてはいけない」と分析している。
(中国経済新聞)