スーパーマーケット「盒馬」の創業者である侯毅氏は、CEOを退任した後も起業の道を歩んでいる。2月21日、ペットフードの販売事業に参入すると発表し、ブランド「派特鮮生」を立ち上げて翌22日に1号店をオープンさせた。今年はまず上海で100店舗を開設するといい、オンラインと現場の両方を展開してニューリテール、割引販売、お菓子の量販、ペットとのふれあいに取り組むという。

侯氏は「派特鮮生」のキックオフ兼パートナー大会で、ペット業界への参入を強気に発表した。「ペットを家族の一員とする人が増え続けており、去年の9月に数人の仲間とともにこの業界の可能性を感じた。すぐにアメリカや日本などを視察し、潜在力があると見て直ちに立ち上げる決意をした」とのことである。
「盒馬」の創業者である侯毅氏
これまで盒馬で扱っていた生鮮食品の商売と、ペットフードは別物ではあるが、侯氏は基本的論理はほぼ同じと見ている。第一財経の取材に対し、盒馬ではサプライチェーンや冷蔵輸送などの整備にかなりお金をかけていたが、今回のペット関連はこれらサプライチェーンや物流、システムなどがすでにインフラになっていると言い、「飼い主もオンラインで品物が買えるし、3キロ以内なら30分で配達する。今はオンラインでの集客はお金がかかるので、実店舗に好機ありと見ている。コストを抑えて利用者の好みや値段の管理などを整えれば、店の値段を通販より抑えられる」と述べる。販売セールなどは一切しないがリーズナブルな価格を維持するという。

侯氏は、「とりあえずは上海で市場開拓する。まずは投資や結果をテストしてみて、それから中国全体に広められるか見てみる。初めは直営店を中心とし、状況に応じて部分的に加盟店方式を導入する方向も検討する。『派特鮮生』は店舗当たりの投資額を50万元前後と見積もっており、12~18か月で回収できそうだ。ただ詳しくは実際の運営状況を見なくてはならない。投資回収がうまくいけば、市街地では直営、郊外では加盟店といった形で店舗数を拡大する。当面はショッピングMALLや団地内で店を設ける」と述べている。また、動物の美容やクリニックなどは手掛けずペットフードの販売のみに専念するが、動物の繁殖に関する事業は検討するという。
侯氏は今後の取り組みについて、「多角的な資本運営も排除しない」と言う。ペット市場を有望視している投資家が多いことが示されている。
中国牧畜業協会ペット産業支部の「2025年中国ペット業界白書」によると、2024年はペットに関する経済規模は3000億元を超え、都市部の(犬猫)消費市場の成長率は7.5%となっている。
(中国経済新聞)