中国発の生成AIである大規模言語モデル(LLM)・Deepseekがこのところ世界にとどろき、AI製品として中国でテクノロジーに対する自信を養っている。
アメリカやヨーロッパの一部では、Deepseekを「脅威の製品」として警戒し、排除する動きも出始めているが、日本ではどのように評価されていのるだろうか。
アメリカのChatGPTの研究や普及を手掛けるフィクスドスター株式会社は、次のようなDeepseekの分析に関する文章を発表した。
「開発コストについて、同じ規模のLLMで1億ドルほどもかかるのも珍しくなく、OpenAIのGPT-4は数億ドルもかかった。しかしDeepSeekはわずか2か月間で、550 万ドル相当で出来上がったものだ。低価格でスピーディーな開発に多くのAI企業が舌を巻いている。特に、アメリカ商務省がNvidiaのGPU・H800について中国への輸出を規制している中、DeepSeekが短期間で大規模なGPU を統合し大量のパラメータを学習させたことに注目が集まっている。DeepSeek V3 は6710 億のパラメータがあり、世界のAI界における新たな選択肢となっている」
ただしフィクスドスターは、パラメータの数やトレーニングのデータ量が増えることで、コストや管理、性能におけるハードルも上がり、DeepSeekがOpenAIやMetaの本当のライバルになりうるか試練が問われる、とも指摘している。また世界規模で広められるかどうかも大きな課題であるという。
野村総合研究所(NRI)のアナリストである長谷佳明氏は日本経済新聞で、「DeepSeekはアメリカを脅かしている上、低コストで高性能であり、『AIの人工衛星』とも言えるものだ。中国のAIのイノベーション力が常識を覆した」とのコメントを発表している。