中国ではこのところ、二次元のゲームやアニメ、IPに関連した商品を指す「グッズ経済」(GOODS)が成長しており、二次元カルチャーにおける消費の一役を担っている。現場の商店からオンラインショップまで、驚くべき速さで様々な場面に浸透している。
灼識諮詢の「中国二次元業界白書」によると、中国では二次元関連品のユーザー数が2021年の4.6億人から2026年には5.2億人に増えると予想している。グッズ関連品はIPの影響力や保存価値、実用性といった利点に支えられて若者たちがこぞって買い求めている。値段10元(200円)のカードから100元以上(数千円)の飾り物やアクセサリーまで、二次元関連品は強い購買力に支えられており、中でも愛着性やサプライズ経済といったプラス面のあるものが新たな消費のトレンドになっている。
経営が思わしくない従来型の売り場が今、若者たちを招こうと積極的に二次元関連品を導入している。上海のショッピングモール「百聯ZX」は5月初めの大型連休にのべ27万人が詰めかけ、成都の国際アニメシティーは10月の国慶節連休でのべ25万人以上が訪れた。これらの施設は店へのIPライセンス付与やテーマ特設店などによって景気を刺激し、賃借料や消費レベルの上昇をもたらしている。
グッズの営業については、ECサイトの旗艦店が主力の販路となっている。ゲーム会社のmiHoYoは11月11日前後の通販セールで、Tmallの旗艦店での売上が早々と1億元を超え、15元のキャラクターバッジは数十万個も売れて総額2700万元(約5.57億円)以上に達したと見られている。またゲーム「如鳶」「恋と深空」などIPの関連商品も、同じくこの通販セールで数億元(数十億円)の売上を記録した。
中国で今、販路面で優位に立つチェーングッズ店のブランドは「潮玩星球」(IPSTAR)、マーチモンスター、animate、GOODSLOVEなどであり、潮玩星球、マーチモンスターなどは関連IPのテーマレストランで、「飲食+グッズ」という抱き合わせにより若者たちを引き寄せている。
また代理店の中には、工夫を凝らしたグッズのPR販売をすることでさらに消費マーケットを拡大するケースもある。キャラクターカードや玩具を取り扱う大手の「Kayou」は、ウルトラマンやマイリトルポニー、三国殺などの人気IPのカードのデザインや販売のライセンスを手に入れ、年間売上高41億元(約846億円)以上という好調ぶりを示している。
(中国経済新聞)