中国で11月18日夜、自動車メーカーの上汽通用五菱汽車(ウーリン)と、EV用蓄電池メーカーとして世界最大手の寧徳時代新能源(CATL)が、電池の交換で事業提携すると発表した。乗用車と商用車の両方を製造する会社がCATLの電池交換アライアンスに加入するのは初めてとなる。今年に入ってから広汽埃安(広汽埃安)や北汽がこのアライアンスに加わっており、またディディはCATLと合弁で電池の交換を設立している。
中国では電池交換アライアンスについて、EVメーカーの蔚来(NIO)とCATLの大手2社による枠組みが形成されつつある。8社が加盟しているNIOのアライアンスは、開発コストや運営コストの引き下げへ交換の規格を一本化すること、またこのような仕組みを長期的に維持するために規模を拡大することを目的として設立された。関係者の情報によると、CATLも各社と事業提携に向けて話し合っており、すぐに新規のアライアンス加盟社が現れる見込みという。
ウーリンは電池交換事業について、来年発表予定の商用車「五菱揚光」が最初の対象車となる。また乗用車の交換可能車種も開発中という。
ウーリンがまず商用車を交換対象車としたことについて、ブランド・広報部門担当総経理である周銒氏は、「自動車は『新四化(電動化、コネクテッド化、インテリジェント化、シェアリング化)』という動きが進んでおり、商用車も電動化やコネクテッド化、電池交換技術の導入という3つの流れが生じている。商用車は営業用として使われることが多いので補給時間は非常に大切で、電池交換サービスが強く求められている。それと、交換可能な車種は購入費用がずっと安くなるのでハードルが随分と下がる」と考えている。
中国は今年に入ってから、新エネ車タイプの商用車が急速に普及し始め、置き換えがどんどんと進んでいる。今年1~9月、商用車は生産台数が前年比2.8%減の282.7万台、販売台数が同じく1.6%減の289.2万台であったが、うち新エネ車タイプは販売数が91%増の38万台で、今年9月は58%増の5.5万台であった。
商用車全体で新エネ車タイプの占める割合は、2020年は2%であったが2023年には11%に増えており、さらに今年1~9月は13.14%となっている。ただし全車種における新エネ車の割合が38.6%であることからまだまだ少量であり、市場拡大の余地は十分にある。
(中国経済新聞)