7-11親会社が買収問題抱える 中国事業への影響は

2024/11/19 07:30

コンビニチェーン大手の7-11親会社であるSeven & i Holdingsが、東京証券取引所での取引を停止した。創業家である伊藤家から法的拘束力のない買収提案を受けていることを明らかにしている。7-11は今、カナダのコンビニエンスストア大手Alimentation Couche-Tard Inc.(ACT)から買収提案を受けているため、取引停止は7-11の「防衛策」だ、と業界内では見なされている。全世界における店舗数を見ると、7-11は現在8.5万店以上、ACTは1.6万店以上となっている。

7-11ジャパンは中国で、フランチャイズ権を持つ全額出資子会社を設立しており、店舗営業方法としては直接投資によるものとエリアフランチャイズ方式の両方を採用している。

業界関係者によると、7-11は中国の3000以上の店舗のうち90%以上が、株式による支配関係ではなく省単位でのフランチャイズ契約により開設した店という。よって7-11ジャパンの親会社であるSeven & i Holdingsの株式構成が変わっても、各店の契約関係は変わらない。エリアフランチャイズ権の契約期間はいずれも10年以上である上、運営会社はいずれも省内でもかなりの有力な中国企業だからである。よって中国では、Seven & i Holdingsの株式が変わっても7-11の店舗は大きな影響を受けることはないのだ。

ただし7-11は中国で、小売り業界内の競争に苦しんでいる。事業エリアの拡大に加えて自社ブランド品のサプライチェーン整備に莫大な費用をかけている上、大手各社がいずれも顧客の愛着感を高めようと、使い勝手のいい便利なサービスを打ち出したり、安売りをしたり、あるいはコーヒーの販売を始めたりするなど、しのぎを削る状態となっている。

ある業界関係者によると、コンビニ店舗における採算ラインは1日の売上高が5500元~6000元(約11.8万円~12.9万円)という。この数字に到達するか否かは、立地場所、客単価、来客数など様々な要因に左右され、達成が難しいと見られる店舗も存在する。

中国のチェーン店経営協会によると、会社別に見た2023年のコンビニエンスストアの店舗数TOP100のうち、7-11は3906店で7位となっている。上位6位は美宜佳、易捷(easy joy)、昆侖好客(uSmile)、天福、ローソン、芙蓉興盛(frxs)の順であり、うち上位3社はいずれも1万店以上を有している。

(中国経済新聞)