11月4日、北京の人民大会堂で行われた第14回全人代常務委員会第12回会議の第1回全体会議で、地方政府における簿外債務の一部を公式の会計に移転する議案について審議された。中国財務省の藍仏安大臣が国務院の依頼を受けて説明し、全人大財政経済委員会の許宏才副主任がこの議案の審査結果を報告した。
これにより、債務軽減措置は今回の全人大常務委員会で審議されることになった。日程では8日に終了予定であり、その時点でより詳しい情報が明らかになる。
これまで市場では、今回の簿外債務のスワップは地方政府による債券発行ではなく、特別国債、つまり政府の財政で返済する形をとるとの見方が出ていた。しかし今回の議案では、これまでの方法と同じように、地方政府の債務上限の引き上げにより実行することが明らかになっている。
地方政府の簿外債務とは、政府やその配下部門における法で定められた債務の上限を超え、直接または財政資金の返済や担保の提供などを約束する形の債務をいう。中国政府はリスクを避けるため、2018年から監視の強化や責任の追及などといった策を講じて簿外債務の伸びを抑え、少しずつ量を軽減していった。中国財務省によると、2023年末、政府の債務情報システムにおける簿外債務の残高は2018年末比で50%減っており、リスクが制御されているという。
こうした簿外債務のリスク軽減策について、2019年から地方に対し借り換えを目的に再融資債券の発行を許可しており、これまでの発行額は約4兆元(約85.8兆円)となっている。複数の税制専門家によると、これにより債務の返済期限が延長され、償還利息が軽減する上、簿外債務の管理が透明化しリスクの防止につながるとのことである。
藍大臣はこのほどの国務院の記者会見で、近々実施予定のこの策について、最近では特に強力なものであるとし、間違いなく「渡りに船」となって地方での債務負担が大幅に軽減すると強調している。「経済成長へさらなるリソースを生み出し、経営者に期待感を持たせ、「三保」(基本的生活、給与、稼働を保つ)の基盤を固めるものだ」とのことである。
(中国経済新聞)