市場調査会社のIDCは9月19日、今年第2四半期のロボット掃除機の全出荷数は前年同期より15.7%増えて511.7万台であったと発表した。会社別では中国メーカーが初めてトップに立ち、上位10社のうち中国の会社または出資社が9社を占めている。
2024年第2四半期のロボット掃除機の出荷数について、中国の業界大手「石頭科技(Roborock)」が初めて中国メーカーとしてトップに立ち、金額も最大だった。2位はアメリカのiRobotで前年同期比6%減、3位は「エコバックス(科沃斯)」(中国)で同じく9.4%減であった。以下10位まではシャオミ(中国)、「追覔(Dreame=ドリーミー) 」(中国)、「雲鯨(Narwal)」(中国)、「Anker(アンカー)」(中国)、SharkNinja(2017年に中国の九陽集団が買収)、「Lefant(楽帆)」(中国)、「ILIFE(アイライフ)」(中国)の順となっている。
IDCによると、「石頭科技」は北米で大型商業施設に立地して自店舗も儲け、2024年は小型軽量化や障害よけ、絡み防止といった機能の改善で数を伸ばしている。2位のiRobotは主にアメリカ、日本、西ヨーロッパに出荷しているが、機能が乏しく市場シェアを落としている。3位の「エコバックス」は中国ではトップで、海外では主にヨーロッパ向けである。「シャオミ」はヨーロッパでエントリークラスと位置づけられ、アジア太平洋やアフリカ、中南米でも普及している。「ドリーミー」は高機能品を扱い、第2四半期は世界での平均価格が会社別で最も高く700ドル(約10.0万円)以上で、北米では800ドル(約11.5万円)近くになっている。海外での出荷数量は73.3%増で、特にヨーロッパ、オセアニア、東南アジアで数を伸ばしている。
IDC中国のシニアアナリストである趙思泉氏は、ロボット掃除機の市場動向について、「今年後半は高機能品が主戦市場となり、AIの導入で指示の理解度に開きが生じること、また床掃除機が普及することで、新たな競争が生じる。また価格が上昇することである程度の購買力が求められ、中国メーカーはやはり北米やヨーロッパでしのぎを削ることになる」と見ている。
(中国経済新聞)