中国、今年上半期の自然災害による被災者は3238.1万人 被害総額は2兆円超

2024/07/23 13:30

中国応急管理省は近日、定例の記者会見で、今年上半期の安全活動や自然災害について報告した。

応急管理省の報道官で新聞宣伝局の申展利局長は、自然災害による被災者が全国でのべ3238.1万人、死者・行方不明者は322人、避難者数はのべ85.6万人、倒壊した建物は2.3万棟、農作物の被害面積は3172.1平方キロメートルで被害総額は931.6億元(約2.03兆円)と発表した。

申司長は今年上半期の自然災害について、以下のように総括した。

1.頻繁に大雨に見舞われ、雨量もかなり多く、河川の洪水がすぐに発生し規模も大きかった。また各地で大雨による鉄砲水や都市部での水害、地滑り、土石流など二次災害が発生した。特に6月以降、広東省、広西チワン自治区、福建省、安徽省、湖南省などでは災害が重なり、被害が大きかった。

2.西南部、中南部、華南では土砂災害が各地で起こり、地滑り、山崩れ、土石流が見られた。また中国本土でマグニチュード5以上の地震は新疆ウイグル自治区、チベット自治区、青海省、四川省などで計22回発生したが、大きな被害はなかった。

3.大気の状態がしばしば不安定になり、強風やひょうによる被害面積が広かった。北部では強風やひょうが多く、南部では集中豪雨や雷、突風に見舞われた。

4.南部や北部では断続的に雨が少ない状態が続き、主に西南部、西北部、華北、黄淮などの一部では農業活動に支障が生じたが、今はほぼ解消している。

5.中東部で年初に寒波や雨や雪、凍結による被害が広まり、長期間続いたほか、降水量や降雪量も多く局所的であり、交通や生産活動、生活などにかなりの支障が出た。

6.森林や草原の火災は少なかったが、華北、東北、西南部の一部では深刻な火災があった。

申局長は、「中国は今、全国的に水害シーズンに入っており、被害につながる要因が増えている。災害防止に取り組む責任感や緊迫感を高め、安全な生産や防災、减災、救助活動などに全力で取り組み、重大な災害となる芽を摘み取り、市民の命や財産を安全に確保しなればならない」と述べている。

(中国経済新聞)