中国IT大手企業が「月給140万円」でも人を集められない

2026/04/6 12:00

2026年の春、中国のインターネット大手企業たちは、まるでドラマの「霸道総裁(強引な御曹司)」のような脚本を手に入れたかのように、沈静化していた求職市場に大金をばらまき始めた。

平均月給が6万元(約140万円)を突破し、最高年収は300万元(約7000万円近く)に迫る。
大多数の業界で新卒者が数百元の補助金や数千元の初任給の差額に悩む中、AI分野の求人ページにはすでに「高額報酬懸賞」のラベルが貼られていた。

しかし、皮肉なことに——
これほどの高額オファーにもかかわらず、大手企業は深刻なAI人材不足に陥っている。

2026年の就職市場では、「AI関連度」がそのまま「含金量(価値)」を決める鍵となった。

京東(JD.com)のAIGCアプリケーション開発:月給3万〜5万元がスタートライン。小米(Xiaomi)のAIハードウェア開発:月給3万〜4万元が参加資格。騰訊(Tencent)の軽量クラウドAIエンジニア:月給3万〜5万元から。字节跳动傘下の豆包(Doubao) はさらに大胆で、大モデルアプリケーションアーキテクチャ専門家に年収128万元(約2970万円)という破格のオファーを出した。

2026年1〜2月のデータによると、AI新規求人ポジションの平均月給はすでに6万元超に達し、新経済業界の全体平均を26%も上回った。

この「富の創造運動」の中で、AI科学家(AI研究者):平均月給13万7153元でトップ。アルゴリズム研究者・AIGCエンジニア:月給7万元台が標準。深層学習のコアアーキテクト:年収は300万元近くに達する。

さらに魅力的なのは昇給スピードだ。
伝統的な職能ポジションの年次昇給率は平均わずか4%程度にとどまる一方、AIのシニア人材は最高35%もの昇給を記録。同僚の約10倍のスピードで資産が増えていく計算になる。

脉脉(Maimai)の統計では、2026年春節以降、AI関連ポジションの単月増加率が最高で11倍超となり、春季採用市場で最も急成長した分野となった。
智聯招聘(Zhaopin)のデータでも、AI関連職の平均給与は伝統職より65%高い。

しかし、大手企業が春季採用で「大撒幣(大盤振る舞い)」を展開しているにもかかわらず、百万年収を出しても人が集まらないという、まるで求職爽快ドラマのような逆転現象が起きている。

背景には、AI技術の爆発的な進化速度と人材構造のミスマッチがある。技術が「日単位」で更新されるため、企業は新人育成より即戦力の成熟人材を高額で引き抜く傾向が強まっている。また、トップレベルのAI人材は国際水準(シリコンバレーや日本の研究者補助金など)と比較され、国内の高給でも満足しないケースも少なくない。

2026年の春は、AI分野が中国の就職市場を二極化させる象徴的な季節となった。
高額報酬を武器に大手が人材を争う一方で、多くの普通の求職者は「AIの波」に乗れない現実もある。

この「月給140万円でも採用できない」異常事態は、AI技術の急速な発展がもたらす人材需給の歪みを、鮮やかに映し出していると言えるだろう。今後、数年間はこのAI人材争奪戦がさらに激化し、就職市場全体の構造を変えていく可能性が高い。

(中国経済新聞)