京東とテンセント、AIエージェント分野で戦略提携へ スマートサービスの新たなエコシステム構築を加速

2026/06/8 11:00

中国EC大手の京东集团(JD.com)とIT大手の腾讯(テンセント)が、AIエージェント(AI Agent)分野で重要な協力関係を構築する見通しであることが分かった。両社は京東のサプライチェーンおよび物流履行能力と、テンセントが持つ巨大なエコシステムの入り口を組み合わせ、複数の利用シーンを横断する次世代スマートサービスの実現を目指す。

関係者によると、今回の提携ではAIエージェントの活用領域を拡大し、これまでの単一サービス中心の利用から、異なるプラットフォームやサービスを連携させる「エコシステム協調型」への進化を推進する。

こうした動きの背景には、テンセントがAIエージェント戦略を本格化させていることがある。中国メディアによれば、テンセント傘下のメッセージアプリ「微信(WeChat)」は、华为、小米、OPPO、vivoなどのスマートフォンメーカーとAIエージェント連携を進めており、この情報はテンセントのカスタマーサポートによっても確認されている。また、テンセントは「微信AIアシスタント」の開発・テスト開始にも近づいていると報じられている。

さらに、テンセントのAIサービス「元宝(Yuanbao)」も、複数の業界・分野におけるパートナーシップ拡大を積極的に進めている。

一方の京東は、自社開発のAI技術と強力なサプライチェーンを基盤に、AIショッピングサービスの展開を加速している。京東AIエージェントは、商品検索や購入相談、フードデリバリー注文など、日常生活に密着したサービスを提供するAIアシスタントとして開発された。商品供給網、全チャネル小売のデジタル基盤、物流・配送システムを組み合わせることで、高度なユーザー体験を実現している。

現在、京東AIエージェントは華為、OPPO、荣耀など主要端末メーカーとの連携を進めている。A2A(Agent-to-Agent)方式を通じて、利用者はスマートフォンに搭載されたAIアシスタントから直接京東AIエージェントを呼び出し、商品検索や購入相談を行うことができる。

また、ユーザーの購買意図の認識から商品推薦、注文処理、配送、アフターサービスまでを一貫して提供し、シームレスなサービス体験の実現を目指している。 生成AIを活用したAIエージェント競争が激化する中、京東とテンセントの協力は、中国における「AI+消費」エコシステムの発展を後押しする重要な動きとして注目されている。特に、SNSプラットフォーム、スマートフォン端末、ECサービスを横断する連携が実現すれば、中国のデジタル消費体験は新たな段階へと進む可能性がある。

(中国経済新聞)