閉店後に長蛇の列 太原の弁当店、1元で届ける“温かい一食”

2026/04/7 08:30

夜が更け、人々が一日の仕事を終える時間帯でも、街のどこかでは配達員や代行運転手、タクシー運転手、清掃員たちが働き続けている。そうした人々に向けた心温まる取り組みが、中国・山西省太原市の弁当店で続けられている。

「盒飽飽」と呼ばれるこの店では、毎晩10時の閉店後、店の前に長い列ができる。店はその日売れ残った料理を、1食わずか1元(約20円)で提供しており、対象となるのはフードデリバリーの配達員や代行運転手、タクシー運転手、環境整備員などだ。この取り組みはすでに1年以上続いており、多くの働く人々の夜を支えてきた。

当初、店は弁当を無料で提供していたが、受け取る側が遠慮するケースも多かったという。そのため、毎晩9時ごろに最後の調理を行う際、少し多めに料理を用意し、10時にオンライン注文を締め切った後、残った料理を1元で販売する方式に切り替えた。1元は実質的に容器代に相当する金額であり、象徴的な意味合いを持つ。

店の責任者は、「食品ロスを防ぎながら、必要としている人に役立ててもらえる。さらに、当店が翌日に持ち越した料理を出していないという安心感にもつながる」と説明する。

2024年後半から現在までに、この1元弁当は累計で約3万食が提供された。季節を問わず取り組みは続けられており、「無駄にしないこと、そして夜に温かい食事を届けたい」というシンプルな思いが原動力となっている。

こうした善意の行動は、利用者からも高く評価されている。配達員の武さんは「太原で4、5年働いているが、多くの店を見てきた中でも、この店は厨房が非常に清潔で信頼できる」と話す。

インターネット上でも、「このような店こそ成功してほしい」「1元は施しではなく取引であり、尊重の表れだ」といった声が寄せられている。

日々忙しく働く人々にとって、温かい一食は何よりの支えとなる。太原の小さな弁当店の取り組みは、都市の夜に静かなぬくもりを灯している。

(中国経済新聞)