飲料チェーンの霸王茶姫、「東方のスタバ」目指し人材を大量に引き抜き

2024/07/23 07:30

中国の新興ティードリンクチェーン「霸王茶姫(CHAGEE)」が、大規模な人材の引き抜き活動をしていると業界内で伝えられている。競合社であるスターバックスやTimsなどコーヒーチェーン店のほか、小紅書、ファーウェイなど他業種からも人集めしているという。

スターバックスで副総裁を務めていた李涛氏も今年前半に霸王茶姫に加入したと伝えられたが、これについて霸王茶姫は「そのような事実はない」と答えている。

李氏は情報によると、スターバックスで店舗の開発や資産管理、中国全体の事業拡大など、重要な役割を演じてきた。また2023年に上海交通大学文化創意産業学院で経営層を対象とした教育研修活動に参加し、産業アドバイザーとして業界での経験や見解を語った。このことから、社内の運営管理だけでなく社外の教育や研修にも携わっていたことがわかる。

霸王茶姫のこうした人材引き抜きは、「東洋のスターバックス」というブランドイメージを目指し始めたころからの活動である。創業者である張俊傑氏は今年5月、2024年は中国での売上高がスターバックスを超えることを目標に掲げた。スターバックスは2023年度の売上高が前年比11%増(為替変動要因を除く)の30億ドル(約4744億円)となっている。

霸王茶姫の決算データを見ると、2024年第1四半期のGMV(流通取引総額)は58億元(1263億円)以上で、2024年1年間では200億元(約4357億円)以上となるとの予想である。

店舗数については2023年から急速に増加しており、特に2023年末から2024年初めにかけては爆発的に増えた。最新の報道では、2024年5月22日に全世界で計4500店に達したという。

霸王茶姫はまた、年内のアメリカでのIPO(新規株式公開)に向けて資金2億~3億ドル(約316億円~474億円)を調達する予定で、シティグループとモルガンスタンレーがIPOの幹事を務めるとの情報も出ている。

ただし霸王茶姫はIPO計画について、これまでしばらくの間、足並みが不統一だった。2023年7月に初めてアメリカで上場するとの情報が伝わったが、会社側はIPO計画について明言していなかった。ところが、時間が経つにつれて上場への準備を着実に進めているとの報道が出ている。

(中国経済新聞)