バイドゥの自動運転車、信号無視の歩行者に接触

2024/07/11 11:30

中国で、IT大手のバイドゥの自動運転サービス「蘿蔔快跑」(Apollo Go)の車が市街地で歩行者に接触した映像が流れた。歩行者は車の前で倒れており、警察が現場対応にあたり、一部渋滞が発生している様子も見える。

バイドゥの関係者によると、この事故は湖北省武漢市漢陽区の鸚鵡通りと国博通りの交差点で発生したもので、青信号で発進した車が信号無視をした歩行者と軽く接触したという。「事故発生後、当社(バイドゥ)はただちに警察の処置に協力した上、病院まで同行した。検査の結果、目立った外傷はなく、今は病院で経過観察している」とのことである。

バイドゥは武漢を「Apollo Go」の重要な普及地域としており、武漢市当局は2023年12月13日、世界最大の無人運転実施地域になっていると発表している。

バイドゥが今年5月に発表した第1四半期の決算報告を見ると、「Apollo Go」の車について、呼び出し件数が前年同期比25%増の約82.6万件となっている。また2024年4月19日現在の累計呼び出し件数は600万件以上に達している。

バイドゥの李彦宏CEOは決算発表の電話会議で、武漢では第1四半期、無人運転の呼び出し件数割合が55%を超え、4月はさらに増えて70%に達し、今後1年あまりで100%に達する見込みと述べている。「Apollo Go は3月初めから武漢で7×24時間のフルタイム稼働を始めており、利用範囲や利用率がさらに拡大している。稼働率が引き上がりコストも削減していることで、武漢ではまもなくUE(損益)が分岐点に達する」とのことである。

バイドゥは以前、武漢では2025年に完全黒字化を果たすと予測していた。6代目の「Apollo Go」は車両コストが5代目より60%削減され、売値が20万元(443万円)となることがその根拠である。

一方、今回の事故について、ある自動運転の関係者は「技術は絶えず進歩しているものの、歩行者や軽車両その他の車が交通ルールを無視したりするような道路事情であれば、自動運転はまたまだ課題が多い」と述べている。今回の事故でも、非常事態やイレギュラーな行為を前にすると対応し切れなくなることが示されたという。

(中国経済新聞)