6月24日に韓国・京畿道華城(ファソン)市の電池製造工場で発生した火災で、多くの中国人が死亡したことに関心が集まっている。
京畿道消防災難本部によると、この火災による犠牲者の数は24日17時55分現在で22人となり、韓国の最新情報ではこのうち中国人が19人という。
火災を起こしたのは、センサーや無線通信機器に使われるリチウム電池の製造を手掛けるAricellの工場である。IT製品(スマートフォン、タブレット端末、腕時計、ノートPCなど)や折り畳み携帯の留め具など様々な製品を扱い、サムスンに折り畳み携帯用の留め具を供給している上場会社「S-Connect」の子会社として、2020年に設立された会社である。
この工場には合わせて11の建屋があり、今回の火災は延床面積およそ2300平方メートルの3階建て鉄筋コンクリートの建物で発生したが、火元は不明という。工場にはリチウム電池が3.5万個保管されているという。
Daejeon University火災・防災学専門のKim Jae-ho教授は、「火の回りが早くて作業者が逃げ遅れた。ニッケルのような電池材料は非常に燃えやすく、ほかの材料による火災と比べて、対処できるような時間はない」と述べている。
今回の火災では多くの中国人が巻き込まれた。リチウム電池業界のある関係者は、「中国は電池の産業チェーンで世界のトップに立っており、ベテランの作業者や従業者も多く、韓国の企業はこれらの人材を集めるにあたり、高めの賃金を用意している」と話している。
吉林省延辺にある朝鮮族自治州に住む人によると、日本や韓国へ出稼ぎに行く人が非常に多く、朝鮮族が多いので韓国で働く際に言葉については問題ないとのことである。
韓国は外国人労働者について、2023年に需要がにわかに膨れ上がり、年間で12万人を受け入れた。2024年に入ると政府も引き続き受け入れを拡大し、過去最高の16.5万人が働いている。韓国法務省の「2023年12月統計月報」によると、2023年末の時点で外国人居留者の数は前年より11.7%増えて250.8万人となり、2019年以来の数となった。国籍を見ると、中国人(朝鮮族を含む)が最多の94.2万人で全体の37.6%を占め、以下ベトナムが27.2万人、タイが20.2121万人となっている。
(中国経済新聞)