BYD、5世代目のPHVを発表

2024/05/30 11:57

中国大手電気自動車(EV)メーカー「BYD」は5月28日、最新のプラグインハイブリッド車(PHV)を発表した。5世代目となるデュアルモードの「DM-i」で、燃費を一段と改善している。エンジンの熱効率は46.06%、100キロメートル走行時のガソリン消費量は2.9リットルで連続走行距離は2100キロメートルとのことである。

BYDの会長兼総裁である王伝福氏は、中国の自動車産業はPHVについて世界のトップに到達していると言う。データを見ると、2023年の中国のPHV販売台数は前年比84.7%増の280.4万台で、EVの台数を大幅に上回っている。発表会で王氏は、「世界で販売されるPHEVは4台中3台が中国製だ。最も先進なPHVは中国にある」と誇らしげに語った。

PHV は10年前はほぼ「前人未踏」であり、BYDだけが心血を注いでいた。10年に及ぶ研究や開発で更新を繰り返した上、他の中国メーカーも続いてPHV路線を歩み始めた。王氏は過去を振り返り、「PHVは2018年に全盛期を迎えると思っていたが、そうはいかなかった、利用者の評価が低く、『存続危機』に立たされてしまい、社内でも対立が生じた。でも、負けるものか、という気持ちだった」と語った。王氏は、「BYDがやめてしまったら中国のPHVに明日はなくなる」と述べた。2021年にBYDの4代目DM-iが誕生したことで、中国製の車は燃費が「3リットル」の時代に突入し、「ガソリンと同価格」を果たしたのである。

BYDはこの4代目DM-iを頼りに売れ筋メーカーとなった。2023年1年間の販売台数は前年比62.30%増の302.44万台で、増加分のほとんどがPHVによるものであった。王氏は、「中国のPHVはもはや『前人未踏』ではなくなった。長安、上汽、奇瑞、吉利、長城などが続々と打ち出しており、国内ブランドはすでに100車種以上となって、各メーカーが追いつ追われつの群雄割拠状態となっている。海外を見ても、日系メーカーが中心だったハイブリッド神話が中国ブランドに完全に崩された。PHVはもはや中国の時代になったと言える」と述べた。また、「今は世界各社が中国のPHVに目を向け、後に続いている」とも述べた。

BYD製品企画・自動車新技術研究院の楊冬生院長は、ハイブリッドカーにおける躍進について、「もう何年も産業チェーン全体で自社開発を進めて、ハイブリッドの基幹技術をコントロールできるようになったことが大きい」と述べている。「5世代目のDM-iはBYDの最大のイノベーションの成果だ」とし、「エンジンの熱効率は46.06%に達しており、世界で量産されているガソリンエンジンの最高記録を上回っている」とのことである。

BYDはまた発表会で、この技術を搭載したハイブリッド車種の「秦L DM-i」と「海豹06 DM-i」を公開した。いずれもテスト走行で連続走行距離が2100キロメートル以上、あるいは2300キロメートル以上に達している。これら2車種はまた、値段も9.98万元(約217万円)—13.98万元(約303万円)とほぼ同クラスに近いものになっている。

(中国経済新聞)