中国、自動車の輸出が極めて好調

2024/05/16 17:00

中国は2024年、自動車の輸出が新エネ車を中心に好調である。中国乗用車市場情報連席会の崔東樹(Cui Dongshu)事務局長によると、1~3月は国内メーカーの海外での販売台数が前年同期比40%増の47万台であった。海外で燃料車が割安になったことや新エネ車の輸出が急増したことが主な理由であり、中でもロシアへの輸出がかなり増えた。

中国は現在、国内メーカーが新エネ車について極めて好調な状態である。崔事務局長によると、2023年はヨーロッパでEVの市場シェアをやや落としたが、新エネ車は世界的に十分に拡大の余地があるとのことである。

中国メーカーにおける主な課題は輸出先に不確定要素があることで、特にヨーロッパ向けは陸上輸送が難しくなっている。しかしそのヨーロッパは新エネ車への需要が相変わらず好調であり、中国勢にとっては絶好のチャンスである。今後は海外で競争力を維持するため、ヨーロッパの環境規制やテストの基準を満たすべく製品技術をさらに格上げし、現地のニーズに沿ったものへと改良していく必要がある。

好調な輸出は国内メーカー各社の業績にも表れている。上汽、BYD、長城、吉利、奇瑞などがいずれも海外でかなりの競争力を示しており、アフリカや南米など以前からの輸出先で好結果を出しているほか、最近はヨーロッパや北米など高級車の市場にも浸透している。

また中国メーカーは海外で、充電設備や車両整備など、販売やアフターサービスへの取り組みにも努め、利用のしやすさや口コミを上げていく必要がある。こうした点についてはこれまで各社ともやや不十分であったが、改善すれば利用者の満足度が向上し、保護貿易による悪影響も抑えられるようになる。

(中国経済新聞)