中国、PCT出願件数がトップ CATLが大躍進で会社別ベスト10入り

2024/03/16 08:30

世界知的所有権機関(WIPO)の最新レポートによると、PCT(特許協力条約)における2023年の出願件数は金利の上昇や不透明な世界経済を受け、前年比1.8%減で、14年ぶりの減少となったが、中国はトップの座を守った。世界のイノベーション活動の最新の傾向として、アジア諸国の占める割合が増え続けており、今回は55.7%に達している。

こうした中、中国の企業や個人の活躍が目立っている。2023年のPCT出願件数はファーウェイ、サムスン、クアルコムが上位3社となり、このうちファーウェイが6494件でトップ、世界のイノベーション競争で中国企業の強さを如実に示している。

中国勢ではCATLが躍進しており、2023年の出願件数は1533件増え、会社別ランキングで84位上昇し8位に食い込んだ。中国の新エネ車やハイテク企業の国際舞台での活躍が示されている。

世界的にPCT出願件数がやや減少した2023年、中国は依然として活発であり、前年より0.6%減ったが69610件でトップを維持した。2位はアメリカで55678件、3位は日本で48879件、以下韓国、ドイツの順となっている。

学校関係では、カリフォルニア大学が出願531件でトップ、以下、中国の蘇州大学が332件、清華大学が209件と続いており、中国は高等教育でも世界的に活躍していることがわかる。

蘇州大学

技術関連で見ると、コンピューター関連やデジタル通信、機械などに関する出願が多数を占めており、前年比伸び率は機械が8.8%で最も高く、やはりイノベーション活動が活発である様子が伺える。

WIPOのダレン・タン事務局長は、「知的財産権に対する世界の需要は、少し一服しているが長期的には着実に増加する」と強調している。中国は過去50年間で知的財産権やイノベーション体系を完全に整え、世界的に最も貢献しているほか、世界イノベーション指数のランキングも着実に上昇している。

(中国経済新聞)