董宇輝氏がライブコマースでファーウェイのスマホを販売、一日の売上高20億円突破

2024/03/13 17:00

董宇輝(Dong Yuhui)氏が3月10日夜、ライブスタジオ「与輝同行」(TIME WITH YUHU)でファーウェイの商品を販売し、その日売上高が1億元(約20.5億円)を超えた。董氏はこの日、自動車の「問界M9」も紹介したが、直接の販売はしなかった。

董宇輝氏といえば、流暢な英語でエビや農産物を売りまくる元英語塾新東方学校でトップ英語教師を務めていた若者である。ライブコマース中、進行役の董さんが軽妙な口ぶりで手にした商品を説明しつつ、冗談を飛ばしていたかと思うと、ホワイトボードを手にとって流暢な英語で商品説明とそれにまつわる英語表現の解説を始めたのである。これが「タダで生きた英語が学べる」と話題になり、その映像がコピーされ、多くの人たちの目に触れた。その後、董宇輝氏もライブコマースの「東方甄選」も中国で人気爆発。

3月10日、董氏はライブスタジオ「与輝同行」で、ULTIMATE DESIGNのMate60RSや、15999元(約32.8万円)の折り叠み型HUAWEI Mate X5 Collector’s Editionなど、ファーウェイの高級スマホを販売した。さらに最低価格6999元(約14.3万円)のHUAWEI Mate60Proを売り出し、すぐさま品切れとなった。

3月8日、SNSで、「東方甄選(EAST BUY)が董氏の商標を『与輝同行』(TIME WITH YUHU)に譲渡」とのニュースが話題をさらった。東方甄選(East Buy Holding Ltd.)とは、ライブコマース大手で、ニューヨーク市場に上場する新東方教育科技(EDU)の子会社で、ライブコマースのプラットフォーム「東方甄選(EAST BUY)」とオンライン教育プラットフォームを有する。

「東方甄選」(EAST BUY)の創立者兪敏洪(Yu Minhong)氏は以前、ライブ配信で、「董氏」も含めインフルエンサーの登録商標はインフルエンサーを保護するものと述べていた。「仮に彼らが会社を辞めて独立した場合、それぞれが自分を守れるように、商標権はしかるべき形で本人たちに譲る」とのことである。

董氏に対してこれまで、東方甄選のほか、上海のある事業会社および複数の一般人から商標申請をしている。「与輝同行」が申請した商標は「与輝同行」「TIME WITH YUHU」「宇輝同行」「与兪同行」などである。

与輝同行(北京)科技は北京新東方迅程網絡科技の全額出資により2023年12月に設立され、資本金は1000万元(約2.05億円)で、董氏が法定代表者、執行取締役、マネージャーを務め、兪氏が監査役となっている。

董さんご自身についてですが、彼は無骨な農村青年そのものの顔立ち(実際に彼は自分が農村出身であることを公言している)で、中国語には田舎なまりもあり、街で出会った人ならまさかそんな彼が英語を話すとは思わないだろう。口の悪い視聴者に「兵馬俑顔」と形容されたその彼が、流ちょうな英語で英語の授業さながらに商品に関する用語を解説してみせたことに視聴者は度肝を抜かれた。

そこから、彼以外の「元」教師たちもそれぞれの担当時間で、商品を紹介しつつ英語による説明やレッスンを加えるようになり、それが「東方甄選」への爆発的な注目をもたらしたのである。ライブコマースの大成功は破産の危機に直面している「新東方学校」の再生と言える。

(中国経済新聞)