Eコマース「Temu(テム)」、スーパーボウルで多額の広告費 

2024/02/14 11:30

アメリカンフットボール世界最高峰、米プロフットボール・NFL王者決定戦「第58回スーパーボウル」は日本時間2月12日、ラスベガスのアレジアント・スタジアムで開催。カンザスシティ・チーフスがサンフランシスコ・49ersを「25-22」で破り、2年連続の全米王者となった。

世界中で大きな盛り上がりを見せたスーパーボウル、その中で注目すべきは、中国のEコマース(電子商取引)大手「拼多多」傘下の「Temu(テム)」が、2年連続でスーパーボウル期間中に数回にわたって多額の広告費を投じ、1,000万ドル(約15億639万円)の景品を用意したことだ。

Temuは2022年9月に米国でサービスを開始し、2023年にはスーパーボウルの広告で話題になった。米調査会社Sensor Towerのデータによると、2024年1月時点で、このプラットフォームの月間アクティブユーザーは米国で5000万人を超え、前年比で約300%増加した。

Sensor Towerのリサーチ部門バイスプレジデントであるシーマ・シャー氏は、「テムの戦略は利幅を気にするよりも、市場シェアを素早く獲得することにあり、この戦略は、小売大手のアマゾンが証明している。統計によると、昨年第4四半期にTemuのユーザーがアプリに費やした時間は週平均23分で、これに対して消費者がアマゾンとeBayに費やした時間はそれぞれ18分と22分だった」と述べた。

またシャー氏は、「Temuの価値提案、アプリのゲーミフィケーション、広告費の増加、幅広い商品、サプライヤーとの緊密な関係が同社の成長を牽引している。親会社である「拼多多」の規模を考慮すると、Temuは年間を通じて極めて競争力のある価格設定を維持し、迅速に商品を提供できている。これは、新しい地域に進出する際にも同様だ」と述べた。

過去12ヶ月間、Temuの株価は42%の上昇を記録。その一方で、グーグル・トレンドによると、広告掲載後、Temuの検索数が急増した。しかし、検索数は昨年7月上旬から減少。モルガン・スタンレーによると、今年1月にTemuで買い物をした世帯は、昨年9月より20%少なかった。

(中国経済新聞)