映画『長空之王』、9月3日に再上映決定 王一博主演で最新鋭戦闘機誕生の舞台裏に迫る

2025/08/23 07:30

 中国の航空映画『長空之王』が、9月3日に全国の映画館で再上映されることが発表された。本作は2023年の「五一档」(労働節連休興行)で公開され、公開から2年余りを経てのスクリーン復活となる。

 『長空之王』は劉暁世監督、韓寒プロデュースによる航空大作で、主演は王一博、胡軍、周冬雨。物語は新時代の中国空軍試験飛行員に焦点を当て、最新鋭戦闘機の開発・誕生の過程を描く。最新兵器の裏にある過酷な試験飛行や技術者たちの挑戦をリアルに映し出した作品として注目を集めた。

 今回の再上映日は「抗日戦争勝利記念日」にあたり、中国では同日、「九三閲兵」(9月3日閲兵式)が行われる予定だ。今回の閲兵式では100種類を超える新型装備が披露され、2019年の国慶節大閲兵以来となる新世代兵器の大規模公開となる。映画の再上映は、こうした国家的行事とも重なり、大きな話題を呼びそうだ。

 興行面では、『長空之王』は公開当時に85億元(約170億円)の興行収入を記録し、成功を収めた。映画情報サイト「豆瓣」では現在6.5点の評価となっている。

 主演を務める王一博は、俳優・歌手・ダンサーとして幅広く活躍する中国のトップスター。近年は映画やドラマで次々と主演を務め、人気と実力を兼ね備えた存在となっている。

『陳情令』(2019年):墨香銅臭の小説『魔道祖師』を原作とした大ヒット武侠ドラマ。王一博は冷静沈着な藍忘機を演じ、主演の肖戦と共に一大ブームを巻き起こした。アジア各国でも配信され、王一博の名を一躍広めるきっかけとなった代表作である。

『無名』(2023年):梁朝偉と共演したスパイ映画。第二次世界大戦期の上海を舞台に、情報戦に身を投じる青年を熱演。重厚なストーリーの中で、これまでのアイドル的イメージを超えた演技が評価され、俳優としての地位をさらに固めた。

『陪你到世界之巅(The King’s Avatar・2019年)』:eスポーツを題材にした青春ドラマで、トッププレイヤーを演じた作品。若者を中心に人気を集め、王一博の爽やかさと情熱的な演技が印象を残した。

 このように、王一博は青春ドラマから大作映画、武侠・スパイ・軍事作品まで幅広いジャンルに挑戦しており、俳優として着実にキャリアを積み重ねている。今回の『長空之王』再上映は、彼の多彩な活動の中でも「軍事映画」という新境地を示す作品として再び注目されそうだ。

(中国経済新聞)