「どうしたら良かったのかな」
石破茂首相の退陣を検証する連載記事の見出しに置かれた石破氏の言葉である。連載1回目は主に戦後80年の「メッセージ」にかかわる曲折についてであった。記事は言う。
「石破氏は就任以前から『自分の言葉で語る政治家』と言われてきた。広島、長崎での式典でも随所に独自の言葉を盛り込み、世論調査での支持率も上昇傾向に入ったことで、『石破らしさ』の打ち出しに手応えを感じ始めていた。だが、それはあまりに遅すぎた。…自民党内保守派に配慮して見送った結果、発出の見通しが立たないまま、退陣を表明することになった。退陣を表明した7日の記者会見。石破氏はこう悔やんだ。『党内で大きな勢力を持っているわけでもない。融和に努めながら「らしさ」を失うことになった』。そして、こんな本音を漏らした。『どうしたら良かったのかな、と思う』…」