中国の原油の輸入先について、2022年5、6月はロシアが最も多く、また価格もサウジアラビア産より大幅に安かった。
中国税関総署の最新データによると、6月のロシアからの原油輸入量は前年比9.5%増の728.6万トン(約178万バレル/日)であった。なお5月は841.9万トン(約199.1万バレル/日)で、前年を54.8%も上回っている。
一方、サウジアラビアが輸出先をヨーロッパにシフトしていることから、中国の輸入先は5月にロシアがサウジアラビアを7.7%上回り、6月はその差が44%にまで開いた。
もともと中国では、原油価格はロシア産とサウジアラビア産で大差なかったが、ロシアとウクライナの軍事衝突を受け、4月以降その差が開いている。6月はロシア産が平均価格94.6ドル/バレルで、116.6ドル/バレルのサウジアラビア産より18.8%安かった。なお5月はロシア産がサウジ産より14.3%安く94.7ドル/バレル、4月は同じく9.2%安い99.9ドル/バレルであった。
ただし、上半期全体ではサウジアラビアがやはり中国の最大の原油輸入先である。税関総署によると、上半期の中国の原油輸入は、数量が前年同期比3.1%減の2.53億トン、金額が54%増の1810億ドルで、平均価格は57%も上がって717ドル/トン(約97.8ドル/バレル)となっている。
今年に入ってからの輸入量合計を見ると、ロシア産が前年同期を約4%上回る4132万トンで、全輸入量の16.4%、一方でサウジアラビアは前年を1%下回りながらロシアを上回る4327万トンで、全体の17.1%を占めている。
中国の原油輸入先は長年に渡りサウジアラビアとロシアが中心で、おおむねサウジアラビアが首位であった。ただし、他国からも輸入しており、上半期はこれら2か国のほかイラク産の割合が10.5%、アンゴラ産が6.8%、ブラジル産が5.1%、アメリカ産が1.7%となっている。
(中国経済新聞)