StarWin、アジア太平洋衛星通信大会で次世代衛星通信ソリューションを披露

2026/05/18 08:30

中国の衛星通信企業「迅翼衛通」(China Starwin Science & Technology Co., Ltd. 以下StarWinと表示)がこのほど、インドネシア・ジャカルタで開催された「2026アジア太平洋衛星・通信大会(APSAT2026)」に出展し、AIと衛星通信を融合した次世代ソリューションを紹介した。

同大会には、アジア太平洋地域をはじめ世界各国の衛星通信事業者や業界専門家、関連企業が参加。人工知能(AI)技術の革新、通信分野での融合応用、産業連携などをテーマに議論が行われた。

会期中、迅翼衛通(StarWin)のCOO(最高執行責任者)である劉暁燕氏は基調講演を行い、同社が推進する「通信・ナビゲーション・センシング・測定」の4分野を一体化した技術体系と、全領域向けソリューション戦略について説明した。

同社によると、自主開発した多機能フェーズドアレイ端末は、DBF(デジタルビームフォーミング)とABF(アナログビームフォーミング)の2種類の技術アーキテクチャを採用。低軌道、中軌道、高軌道衛星によるネットワーク構築に対応し、陸・海・空・宇宙を含む幅広い利用シーンをカバーできるという。移動環境下でも高速かつ安定した通信を実現する技術として期待されている。

また、一般消費者向けには、5GとNTN(非地上系ネットワーク)を組み合わせたスマート衛星フェーズドアレイ端末ソリューションも発表した。従来の衛星通信端末の用途を拡張し、コンシューマー向け電子機器分野での衛星通信サービス活用を広げる新たなモデルになるとしている。

迅翼衛通(StarWin)はさらに、VHF、UHF、L帯、S帯など複数周波数帯に対応した端末設備を活用し、中国の低軌道IoT衛星システム「天啓(Tianqi)コンステレーション」の通信ネットワーク構築にも参画している。

同社は中国の衛星IoT企業 Guodian Gaoke の中核的戦略パートナーでもあり、「天啓」衛星ネットワークの海外展開を支援するほか、多周波対応モジュールや端末設備の自主開発・製造も手掛けている。

両社は現在、東南アジアやアフリカ市場での事業展開を進めており、農業、物流、石油・ガス、鉱業、電力、環境保護などの分野向けに、中小規模データ通信サービスを提供。遠隔地の設備保守や車両・船舶の運行監視、状態モニタリングなどへの活用を目指している。

このほか、迅翼衛通は複雑な電磁環境下での利用を想定した妨害対策アンテナ製品群も披露した。同製品は「妨害耐性」「欺瞞耐性」「制圧耐性」の3つの機能を備え、車載機器やドローン、無人船、衛星通信ロボットなど多様なプラットフォームへの搭載が可能。電磁妨害や悪意ある干渉から通信や測位を保護し、安定した通信リンクを維持できるとしている。 迅翼衛通は今後について、「AIと衛星通信の融合をさらに深化させ、空・宇宙・地上を一体化した通信サービス体系を強化するとともに、海外市場戦略を拡大し、地域のデジタルインフラ高度化に貢献していく」としている。

(中国経済新聞)