今回のイーロン・マスクElon Muskのトランプ大統領に同行した訪中で、最も注目を集めた存在は、本人ではなく、常にそばにいた6歳の息子「X」だった。
Xは、淡いブルーグレーの中国風ベストを身にまとい、虎の刺繍が入った小さな斜め掛けバッグを手に、北京の人民大会堂の階段を父親とともに歩いた。跳ねるように歩く愛らしい姿と、全身を中国風スタイルでまとめた装いがSNS上で大きな話題となった。

Xが着用していた浅藍灰色のシルクベストは、中国風デザインを手掛ける小規模ブランド「誰裁初」によるもの。素材には、中国の国家級無形文化遺産にも指定されている蘇州シルクが使用されている。
ベストに施された模様「杏林春燕」は、江蘇省の絹織物技術の名匠として知られる李徳喜氏がデザインしたものだ。李氏の弟子である詹柱氏によると、この生地は「花錦緞」と呼ばれ、2021年に開発されたもので、中国伝統文化の要素が細部にまで盛り込まれているという。

また、Xが手にしていた虎の刺繍入りバッグは、ハンドメイドブランド「芽小七手創」の作品。広西チワン族自治区の刺繍職人が約1週間かけて手作業で制作したもので、西北地域の民俗文化をモチーフにした「虎頭人形」の無形文化遺産要素が取り入れられている。現在、淘宝(Taobao)では通常価格398元(約8000円)、割引価格338元(約6800円)で販売されている。

その後、Musk氏はSNS上で中国語を使い、「私の息子は現在、中国語(普通話)を勉強しています」と投稿。この発言も話題を呼び、中国伝統工芸や無形文化遺産(非遺)への関心がさらに高まった。
SNS上では、「中国の伝統文化が世界に広がった」「国潮(中国伝統ブーム)の新たな象徴だ」などの声も相次ぎ、小Xの中国風ファッションは、今回の訪中を象徴する印象的なシーンの一つとなった。
(中国経済新聞)
