中国共産党中央規律検査委員会および国家監察委員会は9月6日、第14期全国政治協商会議(政協)経済委員会副主任である易会満氏が重大な規律違反および法律違反の疑いで、現在、中央規律検査委員会と国家監察委員会による紀律審査および監察調査を受けていると発表した。情報筋によると、易氏は2025年8月29日頃に調査のために連行され、彼の複数の家族も同時に連行されたという。
これに先立ち、易氏が1980年代に浙江銀行学校で学んでいた時期の同級生数人が、すでに数カ月前に汚職容疑で摘発されていた。
易会満氏は1964年12月生まれ、浙江省温州市出身で、管理学博士号を取得している。これまで中国工商銀行の頭取および董事長を務め、2019年から2024年2月まで中国証券監督管理委員会(証監会)の党委書記および主席を歴任した。2024年6月には、第14期全国政協委員および経済委員会の常駐副主任に就任していた。
易氏の拘束は、中国金融業界における高官の汚職摘発の一環と見られている。証監会は資本市場の監督と規制を担う重要機関であり、易氏はそのトップとして市場の公平性と透明性の確保に責任を負っていた。しかし、今回の調査は、証監会内部や関連業界における権力の乱用や不正行為に対する当局の厳格な姿勢を反映している。中国では近年、金融分野での反腐敗キャンペーンが強化されており、複数の高官や業界関係者が調査対象となっている。
易氏の具体的な違反内容については、現時点で当局から詳細な発表はない。調査の進展に伴い、さらなる情報が公表される可能性があるが、この事件は中国の金融市場および監督機関に対する信頼に影響を与える可能性がある。今後、易氏の調査結果や金融業界への影響が注目される。
(中国経済新聞)