貴州茅台集団、また董事長を交代 

2025/10/25 22:23

中国貴州茅台酒廠集団は10月25日上午、幹部会議を開催し、重大な人事調整を発表した。2024年4月より董事長を務めていた張徳芹氏(52)が職務を解かれ、後任に貴州省エネルギー局局長の陳華氏(53)が就任した。

陳華氏は彝族、1972年3月生まれの共産党員。安全生産監督管理や石炭産業での豊富な行政経験を持つ。貴州盤江煤電集団有限責任公司董事長を経て、2022年3月より貴州省エネルギー局局長 。

一方、退任する張徳芹氏は1972年9月生まれで、茅台集団に長年在籍。2019年に貴州現代物流産業集団副総経理、2022年7月には習酒投資控股集団董事長を歴任し、2024年4月に茅台集団と茅台酒股份有限公司の両董事長に就任していた。

茅台集団は貴州省仁懐市茅台鎮に本社を置き、従業員約4万人。主力の茅台酒股份有限公司を中心に、白酒・保健酒・ワイン、証券・保険・銀行、文化観光、教育、不動産、生态農業など36社を傘下に持つ。「酒産業」「酒旅康養」「総合金融」を三大主軸に据えるが、近年は経営が苦境に立たされている。

張徳芹体制はわずか1年半で終了。短期間でのトップ交代は、経営戦略の不連続性と省政府・中央との調整難を露呈。在任中、値下げ圧力への対応が後手に回ったとの見方が強い。

市場関係者は「茅台のブランド力は健在だが、価格バブルは完全に崩壊した」と指摘。新董事長の陳華氏はエネルギー行政出身で、白酒業界経験は皆無。省政府は「外部視点による構造改革」を期待しているが、酒価安定と業績回復への道筋は不透明だ。

(中国経済新聞)