中国のトレンドマーケティングおよび戦略コンサルティング企業である知萌コンサルティングは北京で「2026消費トレンド大会・トレンドイノベーションカンファレンス」を開催し、『中国消費トレンド十年変遷史』と『2026中国消費トレンド報告』を正式に発表した。大会は2日間にわたり、食品・飲料、家電・家具、アウトドア、商業小売、ヘルスケアなど多様な分野を対象にしたフォーラムも同時開催され、トレンドの先行的洞察から産業への応用まで、幅広い議論が行われた。
知萌の消費トレンド報告は2017年の創刊から10年を迎え、企業の戦略立案における重要資料として広く活用されている。長年の一次調査と体系的な分析に基づき、産業アップグレードやブランド成長に資する実践的な知見を提供してきた。
今回発表された『2026中国消費トレンド報告』は、全国規模の定量調査や典型消費者への深層インタビュー、専門家との議論、大規模データ分析を踏まえて作成されたもので、全350ページに及ぶ。知萌の創業者兼CEO・肖明超氏は、「理感共生」「品質精算」「日常高光」「共感体験」「健康調頻」「ブランド共識」「AI場景力」など、2026年の10大消費トレンドを紹介した。

■ 2026年の企業戦略に向けた「5つのアクション」
肖氏は、2026年に企業が注力すべき取り組みとして、次の5点を挙げた。
①品質再構築:価値と価格のバランスを再定義、②シーン再設計:日常生活に新たな意味を付与、③フロー体験:感情に残る体験価値の創出、④ブランド共感形成:ブランドへの信頼と支持の基盤構築、⑤新領域開拓:新市場や新カテゴリーへの積極的な挑戦。
複雑化する消費者ニーズの中で、これらは企業が持続的に成長するための具体的な方向性として提示された。
■ 各界の専門家が集結、消費変容の本質を議論
大会では、トレンド報告の発表に加えて、企業事例の紹介、分野別の円卓会議、ブランド展示など多彩なプログラムが組まれ、学術界、企業トップ、業界専門家らが幅広く参加した。
「年度トレンド講演」では、商務部研究院 流通・消費研究所の関利欣副所長が中国の消費市場構造の変化、直面する課題、今後のトレンド展望について解説した。
また「年度対話」セッションでは、研究機関・大学・企業の代表者が、中国の消費変容を支える背景や新たな産業機会について議論。利便性向上や権利保護、理性と感情の共存、審美性や精神性の高まりなどが主要テーマとして挙げられ、業界横断的な視点が示された。
さらに、商業小売、自動車、文化・観光といった分野別のセッションでは、企業や業界団体、各地の行政担当者が意見を交わし、地域経済の活性化やブランド力向上に向けた実践的かつ創造的な協働アイデアが数多く生まれた。
(中国経済新聞)
