ユー・シューシンが語る “中国ドラマ×タイムスリップ” のリアリティ追求

2025/12/9 01:30

中国ドラマ『永夜星河(えいやせいが)~シークレット・ラブミッション~』の配信・DVD発売を記念し、主演のユー・シューシン(虞書欣)のインタビューコメントが到着した。

ユー・シューシンとディン・ユーシー(丁禹兮)が共演する本作は、『蒼蘭訣(そうらんけつ)~エターナル・ラブ~』の制作陣が手がけたラブコメ時代劇。会社員のリン・ミアオミアオは、人気作家・浮舟(うきふね)の小説を読むことだけが日々の楽しみだったが、新作『捉妖』が期待外れだったため思わずコメントを書き込もうとする。すると突然作品の世界へと飛ばされ、気がつくと悪役令嬢・林虞(りんぐ)になっていた。現実に戻るためのミッションは、原作設定どおりに物語の最後まで生き延び、仲間と協力して最強の妖怪を倒すこと。そして、ひねくれ者のシスコン男子・慕声(ぼせい)の“好感度100%”を達成することだった。

リン・ミアオミアオ/林虞を演じたユー・シューシンは、「面白いと思った場面は?」という質問に対し、「タイムスリップ直後のシーンです」と回答した。

「タイムスリップものは多いですが、どうやって特別感を出すか、どうすれば“本当にタイムスリップした”と思わせられるかを考えました。本作は2023年のタイムスリップものですが、2010年や2000年代の作品とはどこが違うのか。例えば『どうしてこんな昔の服なの?』と侍女に尋ねたり、『脱出ゲームみたい』というアドリブを入れたりして、異世界から来たという感覚を際立たせています。」

彼女はほかにもさまざまなアドリブを取り入れたといい、「撮影前日に、セリフを少し真面目にしたり、逆に面白くしたりすることもありました。ただ、本作は単に笑えるだけの作品ではなく、設定にきちんとした論理が求められるんです。非現実的な世界観だからこそ、ちょっとした矛盾をつくとすぐに視聴者に気づかれてしまいます」と語る。

もっとも印象深いシーンとして挙げたのは、ミアオミアオが父親と会話する場面だ。

「ミアオミアオは明るい性格ですが、実は幼い頃、学校でのトラブルが原因で深く傷ついています。父親に嫌われていると思い込んでいるんです。物語の中の父親が現実の父親にそっくりで、その相手に現実の悩みを打ち明けると、『嫌うはずがない』と言ってもらえる。ミアオミアオの心が救われる瞬間で、とても印象に残っています。」

「それは“傷が癒えた”という感覚なのか?」と尋ねられると、ユー・シューシンはこう答えた。

「“答えを見つけた”という感覚に近いです。物語を読むだけでは気づけない部分ですが、演じてみると人物像にリアルさが欠けることもあります。だからこそ、できるだけこの世界が本当に存在しているかのように感じてもらいたいんです。ミアオミアオの世界は特別で、現実離れしていて、これまでにない感覚を与えてくれます。少しでもリアルに伝わるよう努力しています。

具体的な例を挙げるなら、映画『トゥルーマン・ショー』に似ています。設定はとても特別で非現実的ですが、私の演技を通して“まるで現実のようだ”と感じてもらえたら嬉しいです。」

(中国経済新聞)