曹徳旺氏が福耀ガラス会長職を辞任

2025/10/17 10:30

10月16日、中国最大のガラス製造企業である福耀ガラスは、創業者である曹徳旺氏が同社のガバナンス構造の戦略的最適化と持続可能な発展を推進するため、董事長(会長)職を辞任したと発表した。曹徳旺氏は引き続き同社の取締役および一部の子会社の取締役、会長、法定代表人を務める。

曹徳旺氏は1946年に福建省福清市で生まれ、中国の実業家として広く知られている。1987年に福耀ガラスを創業し、同社を自動車ガラスや建築用ガラス分野で中国を代表する企業に成長させた。彼の経営手腕と革新的なアプローチにより、福耀ガラスはグローバル市場でも競争力を持つ企業となり、特に自動車ガラス分野では世界的なシェアを誇る。曹氏は「中国のガラス王」とも称され、慈善活動にも積極的に取り組んでいる。これまでに教育や貧困支援などの分野で多額の寄付を行い、中国社会に大きな影響を与えてきた。また、その率直な発言と企業家精神は、多くの若手起業家にとって模範とされている。

同時に、同社は曹輝氏を新たな会長に選出し、法定代表人および取締役会の戦略発展委員会の主任に任命した。曹輝氏は曹徳旺氏の息子であり、以前から同社で重要な役割を担ってきた。曹徳旺氏は終身名誉会長に任命された。今回の役職変更は、会社の正常な経営活動に悪影響を及ぼさないとされている。

この人事変更は、福耀ガラスが長期的な成長とガバナンスの強化を目指す中で、重要な節目となる。曹徳旺氏のリーダーシップのもとで築かれた強固な基盤を背景に、新たなリーダーシップの下、福耀ガラスはさらなる発展を目指す方針である。

今後、曹輝氏の指導のもと、福耀ガラスはグローバル市場での競争力を一層強化し、持続可能な成長を追求していくことが期待される。

(中国経済新聞)