中国の人材サービス企業 人瑞人才科技控股有限公司(以下、人瑞人才) はこのほど、2025年上半期(1~6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比26.6%増の約26.0億元(約546億円)、粗利益は11.1%増の約1.9億元(約40億円)、調整後の親会社株主帰属純利益は58.9%増の約0.5億元(約11億円)となり、堅調な成長を示した。
同社は2021年に「二次創業」を掲げ、デジタル人材・IT人材分野に注力し「第二の成長曲線」を築いてきた。さらに2025年上期は、海外事業を「第三の成長期」と位置づけ、本格的な拡大に乗り出している。

同社によると、6月末時点で世界21の国・地域に子会社を設立。マレーシア、ベトナム、タイにオフィスを構え、現地採用・サービス体制を整備したほか、ウズベキスタンには海外初のデジタル運営・カスタマーサポートセンターを開設した。8月28日時点で、国際事業の総合的なフレキシブル人材数は約2318人に達したという。
張建国・董事会主席兼CEOは、海外戦略について「市場規模や企業集積度などを総合的に分析した上で、長期的な視点から能動的に進出地域を選定している」と説明。中国企業の海外展開に伴い、迅速かつ柔軟に対応できるサービス提供のニーズが高まる中、「現地法人とコアチームを基盤に、グローバルな営業・実行体制を本社が支えることで、中資企業の出海需要に応えることができる」と強調した。
下期については、東南アジア・中東・中央アジアを重点地域に据え、採用支援やフレキシブル人材派遣、就労ビザサービスを強化し、海外子会社の収益拡大を図る方針だ。
また、国内市場においては、中国経済の回復基調やデジタル化需要を追い風に、新エネルギー車、インターネット、スマート製造といった成長産業におけるデジタル人材ニーズを積極的に取り込む。張CEOは「国内市場でのリーディングポジションを固めつつ、一体型人材サービスエコシステムを進化させ、国際事業の収益貢献を高め、持続的な成長を実現していく」と展望を示した。
(中国経済新聞)