2025年5月16日、中国国家衛生健康委員会は、「中日友好医院」(北京市)の胸部外科副主任(副部長)であった肖氏に関する調査結果および処分決定を公式に発表した。この問題は、肖氏の妻による告発を受けて発覚したもので、肖氏の生活規律違反、医師倫理の逸脱行為が含まれている。
発表によると、国家衛生健康委は通報を受けた直後、調査チームを編成して中日友好医院に派遣し、関係当局と協力して、肖氏の医療行為、職業倫理、さらに不倫関係者である董氏の学歴、論文、入職手続き、研修制度などを包括的に調査した。
調査の結果、肖氏(1986年10月生まれ)は2024年7月に執刀した胸腔鏡下肺葉切除手術において、安全管理規定に違反したことが判明。主治医として麻酔下の患者を放置し、巡回看護師との口論の末、手術を中断して手術室を離れた上、助手まで連れ出すという極めて不適切な行為を行った。また、婚姻関係中に董氏らとの不適切な関係も確認されている。
これらの行動は、医師としての倫理に著しく反し、患者の生命安全を軽視したとして、重大な社会的悪影響を及ぼしたと評価された。中日友好医院は肖氏に対して党籍の剥奪および解雇処分を下し、北京市衛生健康委は肖氏の医師免許を取り消すとともに、今後5年以上にわたり医療活動を禁ずる処分を行った。また、中日友好医院に対しても是正命令と警告、罰金の行政処分が下された。
一方、董氏(1996年6月生まれ)は、2023年8月に第三者の人事派遣機関を通じて中国医学科学院腫瘍医院に配属されていた。調査により、彼女の学歴・職歴に複数の違法行為が判明し、北京協和医学院は彼女の卒業証書および学位を取り消した。さらに、北京市衛生健康委は董氏の医師資格証明書と医師免許証を正式に取り消した。
今回の事件は、中国の医療界における職業倫理の重要性と、制度的な監督機能の強化を改めて浮き彫りにした。国家衛生健康委は、「今後も厳格な調査と法令に基づく処分を通じて、国民の健康と信頼を守る」とコメントしている。
(中国経済新聞)