中国、ペットの消費市場が6兆円を突破 7.5%増

2025/03/5 13:30

2月26日に行われた「第5回ペット産業発展大会」で、ペット業界のビッグデータシステム「派読」を立ち上げた劉暁霞氏が「2025年中国ペット業界白書」(以下「白書」)について解説した。2024年、都市部(犬、猫)の消費市場規模は7.5%増えて3000億元(約6兆1437円)の大台に乗った。このうち犬は4.6%、猫は10.7%の増加であった。

コロナ禍を経て中国経済は下り坂に歯止めがかからず、消費の落ち込みが続く中、ペットに関する支出は増えている。「白書」によると、ペットの支出の増減に関する飼い主への調査で、「増えた」と答えた人の割合が18.8%、「コロナ禍の後でやや増えた」が37.2%、「ほとんど変わらず」が28.1%で、「やや減った」は13.7%にとどまっている。

また飼い主の年齢別割合について、若年化傾向が進み高齢者が減っている。「白書」によると、1990年代生まれが依然最も多く41.2%で、以下1980年代生まれが26.5%、2000年代生まれが25.6%となっている。2000年代生まれが急速に増える一方、1970年代以上の世代が10%以下まで落ち込んだ。これについて劉氏は、「若い飼い主が非常に多く、われわれペット業界にとって大変有利な土台ができている」と話している。

また飼い主の月収を見ると、中心となるのはやはり高所得者で、全体に占める割合も増える傾向にあり、消費全体の傾向と一致している。「白書」によると、最も多いのは「4000元~9999元」で、次が「10000元~14999元」となっており、2023年と比べると4000元以下の割合がやや減った一方、「10000元~14999元」「15000元以上」がやや増えている。

ペットの健康維持のために医療や保険の利用率も増えており、サプリメントの利用率は1.6ポイント増えた。また診療、トレーニング、保険、交通利用の割合が大幅に増え、中でも交通利用が4.9ポイント上昇している。一方で、医薬品の利用率は1.9ポイント、ボディーケアは2.4ポイントそれぞれダウンした。

医療機関について、主な目的は診療および予防接種である。内容別に見て割合が2023年より増えたものを挙げると、犬については診療で49.0%、虫よけが8.5%であり、猫は予防接種が40.5%、診療が35.9%となっている。

(中国経済新聞)