在日中国人・張時偉監督による中日両国合作のSF短編「Heart-Ware」(心動程序)、上映会を実施

2025/02/20 07:30

2月2日午後、東京・多元文化会館にて、日本在住の中国人監督・張時偉氏が手掛けた中日両国合作のSF短編映画「Heart-Ware」(中国語タイトル:心動程序)のプレミア上映会が開催され、多くの観客で賑わった。技術の進歩をアピールしているほか、人間の感情やこれからの社会の可能性を探るこの作品は、上映時間わずか32分ながら、緻密なストーリー展開、繊細な感情描写、そして未来感のある映像美を通じて、観客に深い思索を促すものとなった。上映会は60以上の日本メディアに転載されるなど、業界でも話題となった。

株式会社JCC、上海国錦文化伝播、株式会社日中通信社の共同プロデュースによる「Heart-Ware」は、上映時間わずか32分ながら緻密なストーリー展開、繊細な感情描写で技術の進歩をアピールし、人間の感情やこれからの社会の可能性を探るものだ。

張監督はこの作品で、脚本・撮影・編集も務めるなど、あらゆる場に深く関わった。上映会では創作のアイデアを説明した上、オリジナル音楽の重要性を特に強調した。アイデアから表現まで音楽が中心となっていたという。上映時間は32分だが音楽の制作には3か月を費やし、スタッフのノウハウや精巧な磨き上げが十分に披露されている。張監督は、「音楽は単にムードを盛り上げるBGMではなく、感情を生みストーリーを深める重要な媒体だ」と述べた。入念な音響デザインやメロディーで感情表現がより拡大し、観客を人間とAIの感情が交錯する未来の世界へ没入させていくという。

共同でプロデュースを手掛けた日中通信社の胡文娟社長は、「中日合作の映画として両国の才能ある映画人が集結し、革新的で深みのある作品が生み出され、人間とAIの関係を探求した。技術の進歩をアピールしているほか、人間の感情やこれからの社会の可能性を深く分析している」と述べた。この作品は14の国際映画賞を受賞し、国際映画祭に計12回出品されるなど、海外でも高く評価されている。「優れた映画作品である上、中日両国の文化交流の懸け橋になり、より多くの観客にその魅力が届くことを願う」と胡社長は語った。

斬新な表現や質の高い制作を果たした本作は、映画業界でも高く評価されている。中国国家一級監督である李亜威氏や、映画俳優のチェン・クンが祝福のビデオメッセージを送った。

李氏は、「張監督の作品には強力な革新性や感情のインパクトがあり、特に深セン青年映像祭で『最優秀クリエイティブ作品賞』を受賞したことが、その才能を証明している」と述べた。

チェン・クンは、「『Heart-Ware』は感情や教えるものが豊かで、観る者の心を揺さぶる作品になるだろう」と語った。上映会ではこのほか、協賛社の株式会社アジア太平洋観光社の劉莉生社長と日本在住の水墨画家・王子江氏も出席した。劉社長は映画を高く評価し、見終わってとても感動したと述べた。さらに、「中日間の文化交流に貢献した張監督に感謝する。この作品は、AIと人間の心の交流を描き、中日両国の相互理解を深める重要な作品だ。観客はこの作品を見てヒントを得てほしい。また、さらなる文化交流をみんなで進めたい」と語った。また王氏は、「人とAIとの交流の可能性を探り、愛と平和のメッセージを伝え、十分な芸術的価値があるものだ」と述べた上、張監督の真面目な姿勢や親しみやすさを高く評価し、作品のスタイルが独特でぬくもりがつまったもので親しまれるものになるだろうとも語った。

上映会の最後には、主演俳優たちが撮影の裏話や監督とのエピソードを語った。「『Heart-Ware』の撮影はチャレンジ満載で考えさせられるものであった。監督の丁寧な指導や独自の創作アングルで役に入り込み、極めてリアルに感情表現ができた。これからもまた、一緒に優れた作品をどんどんと作り上げたい」とのコメントが出ていた。

(中国経済新聞)