上海テレビ祭で「白玉蘭賞」発表 ソン・ジアが主演女優賞、ジン・ドンが主演男優賞を受賞

2025/06/29 10:48

6月27日夜、上海の臨港エリアで第30回上海テレビ祭「白玉蘭賞」の表彰式が行われ、10本のノミネート作品の中から「私の阿勒泰-To The Wonder-」が最優秀ドラマ賞を獲得した。

審査員によると、現地のムードをふんだんに取り込み、生活も細部にわたって描かれ、特有の視聴言語やユニークな人物設定で人間性や自然の美しさが描かれ、その一方でリアリズムの質感が理想郷における美への追求を伝えていることを評価したという。

「私の阿勒泰」は全8作のスキット集で、長編映像の新たなイメージへの包容性や評価が高かった模様である。監督を務めた藤叢叢氏は、映画界に入って20年余りで2作目の監督作品が受賞に至ったとのことで、「何もかも順調な人生などありえない。人生のつらさや喜怒哀楽はすべて養分となって創作に生かされる」と興奮気味に語った。鋭い洞察力を備え、悲しみを抱きながら、人生の勇気を直視するクリエイターを目指し、仲間たちとともに努力したいという。またプロデューサーを務めた齊康氏は、新疆ウイグル・アルタイの生活の些細な部分、目や耳にしたものを繊細な文章で書き残した原作者の李娟氏に対して感謝を示した。

テレビ祭ではまた、「山花爛漫時 (She and Her Girls)」に出演したソン・ジアが、主演女優賞を獲得した。白玉蘭賞はこれまで4回もノミネートされるなど相性がよく、2012年の第18回大会ではドラマ「懸崖」の出演で優秀女優賞に選ばれている。

「山花爛漫時」は、「七一勲章」の授章者である張桂梅氏をモチーフにした作品で、花坪女子高等学校を創設して山間部で貧困のため通学困難となった生徒を迎え入れ、運命を変えてゆくストーリーである。ソン・ジアの受賞について審査員は、細やかに生き生きと自在な姿を演じて「心が広く粘り強い」という張桂梅氏のイメージを打ち立てたことを理由に挙げている。

ソン・ジアは受賞の感想をコメントした際、「どんな時でも信仰や信念や自信が何より大事だということを張桂梅氏が教えてくれた。これからも、こうした心の強さを伝えていきたい」という感謝の言葉を述べた。また、「この世界では、作品により見ている人の心を訪れ、獲得することができる。庶民らしさは一番の人気の元であって、真・善・美は常に最高の表現だ」とも述べている。

さらに今回、「西北歳月」に出演したジン・ドンが主演男優賞を獲得した。真面目な姿勢や緩めの演技、リアルな役作りのほか、革命家のイメージを見事に生活の中に写し出し、偉人の姿を肌で感じ取れるように本物らしく再現したことが高く評価された。

「西北歳月」は、波乱に満ちたスケールのある中国西北部の革命闘争をパノラマ式に描いたもので、習仲勲などプロレタリアの優れた革命家を見事に再現している。ジン・ドンは受賞の感想について、「1992年に映画界入りして30年以上が過ぎた中、30年目という節目の『白玉蘭』でこのような栄誉ある賞を手に入れて光栄だ。テレビドラマで主演男優賞を獲得したことは記憶になく、今回受賞できたことで白玉蘭に感謝する。これからも頑張っていきたい」と述べた。

このほか今回は、この「西北歳月」と「我是刑警」が審査員大賞、「小巷人家」に出演したジャン・シンが助演女優賞、「辺水往事」に出演したジャン・チーミンが助演男優賞、「山花爛漫時」のフェイ・チェンシャン氏が監督賞に選ばれている。

(中国経済新聞)