日本の一部地域からの水産物輸入を中国が条件付きで再開

2025/06/30 08:11

中国税関総署は6月29日、公式ウェブサイトを通じて2025年第140号公告を発表し、日本の一部地域からの水産物の輸入を条件付きで再開することを決定した。この発表は、福島第一原発の処理水海洋放出に対する長期的な国際監視および中国独自のサンプル検査で異常が確認されなかったこと、また日本政府が中国向け水産物の品質安全を保証するとの約束を背景に行われた。

中国税関総署の「日本の一部地域からの水産物輸入の条件付き再開に関する公告」によると、以下の内容が定められている:

1. 輸入再開の対象地域
即日起、日本を原産地とする水産物(食用海産動物を含む)の輸入を再開する。ただし、福島県、群馬県、栃木県、茨城県、宮城県、新潟県、長野県、埼玉県、東京都、千葉県の10都県は対象外となる。

2. 輸入企業の登録要件
日本から中国への水産物を輸出する企業は、中国の「輸入食品海外生産企業登録管理」などの関連規定を遵守する必要がある。これまで輸入が停止されていた水産物生産企業は、新たに中国での登録を申請し、登録完了後に生産された水産物のみが中国への輸出を許可される。また、食用海産動物については、養殖および包装企業も同様に中国での登録を再申請し、登録完了後に出荷が可能となる。

3. 必要書類
日本からの水産物輸入申告時には、日本政府が発行する以下の書類の提出が求められる:

    * 衛生証明書

    * 放射性物質検査合格証明書

    * 産地証明書

4. 厳格な監督体制
中国税関は日本からの水産物に対し厳格な監督を実施する。中国の関連法規や食品安全基準に適合しない場合、または日本側が公式な監督責任を適切に果たせなかった場合、速やかに管理措置を講じ、中国国民の健康と安全を確実に保護する。

この決定は、2023年に発効した中国税関総署2023年第103号公告(日本産水産物の輸入全面停止)を廃止する形で発表された。中国側は、福島第一原発の処理水放出に対する国際的な監視と独自の検査結果に基づき、日本政府の品質保証を条件に輸入再開を決定したと説明している。

今回の措置は、日本の一部の水産物輸出業者にとって朗報となる可能性があるが、福島県を含む10都県が引き続き輸入禁止の対象となっているため、影響は地域によって異なる。また、厳格な書類提出要件と監督体制により、輸出企業は新たな手続きへの対応が求められる。

中国税関総署は、引き続き日本産水産物の安全性を監視し、必要に応じて追加の措置を講じる方針を示している。一方、日本側は、輸出再開に向けた品質管理と透明性のある情報提供が求められる。

(中国経済新聞)