北方国際、約22億円でボスニア・ヘルツェゴビナの会社を買収 187億円で太陽光発電事業を実施

2024/05/30 07:30

海外の建設工事を手掛ける中国の「北方国際」は5月27日夜、ハンガリーの子会社を通じて自己資金1300万ユーロ(約22億円)でAurora Solar d.o.o.の株式の80%を買収すると発表した。ヨーロッパのボスニア・ヘルツェゴヴィナ科曼耶山で125メガワットの太陽光発電プロジェクトを実施するという。

実施場所は、首都のサラエボから90キロメートル離れたヘルツェゴヴィナのネレトヴァ県で、投資総額は1億986万ユーロ(約187億円)、このうち1300万ユーロ(約22億円)はAurora Solarの株式取得分であり、建設費は9686万ユーロ(約165億円)となる。北方国際は、稼働時には年間の平均フル稼働時間数が1642時間、送電量は2.05億ワットとなると見込んでいる。

北方国際によると、このプロジェクトは規模が125MWpで、事業主はAurora Solarで開発や建設、完成後の運営を請け負う。今回の買収により、双方の出資元がそれぞれ1937万ユーロ(約33億円)を増資することになり、うちハンガリーの子会社が自己資金で1550万ユーロ(約26.4億円)を出資する。

北方国際は今回の買収により、再生エネルギー事業の整備が一段と進むと見ている。「再生エネ利用の取り組みを始めたボスニア・ヘルツェゴヴィナでの投資によって成長戦略を果たすことが狙いだ。東ヨーロッパの電力市場をさらに開拓し、クロアチアのセニの風力発電に次ぐ再生エネ発電事業の新たな展開となる」とのことである。

なお5月中旬中国企業2社が、EUの調査がきっかけで東ヨーロッパのルーマニアの太陽光発電事業から撤退している。発電容量が454.97メガワットで、契約総額はおよそ3.75億ユーロ(約640億円)とみられ、一部をEUが負担するものである。

EU は5月13日に、ルーマニアで建設中の太陽光発電団地の公共入札から2社が撤退すると発表していた。1社はルーマニアのエンジニアリング・コンサルティング会社のENEVOと中国の太陽エネルギーテクノロジー会社「隆基緑能」のドイツの子会社の合弁会社、もう1社は上海電気集団の全額出資子会社2社の合弁会社である。

(中国経済新聞)