中国、最重要課題は国民の将来への自信を回復させること

2022/11/27 21:45

中国は冬の訪れを前に、各地でコロナをめぐる情勢が悪化している。入国時の隔離期間を3日間短縮するなどの「コロナ対策20項目」が国務院より発表され、表向きには「正確な対策」を講じるとしているが、実際には各地とも一段と制限が厳しくなっている。このところ北京や新疆ウイグル自治区などで、ロックダウンを拒否するマンションの住民と地方政府の幹部が衝突する事件が相次ぎ発生しており、市民の我慢も限界に達している。

香港フィナンシャルアカデミーが11月23日に開催した第12回中国経済国際年次検討会で、中国国際経済交流センターの王一鳴(Wang Yiming)副理事長は基調講演の際、「2023年、中国で一番大事なことは国民が自信を取り戻し、4.6億世帯の消費を回復させることだ。さもないと経済が一段と悪化する」と述べている。

王副理事長は、「中国の民間企業にとって、経済成長率が債務の増加を下回れば一段と経営が苦しくなる。よって経済を早期に回復軌道に戻すことがやはり当面の急務だ」と述べた。

さらに王副理事長は、「2022年はコロナの影響を受けながらも輸出や製造業への投資が好調で、中国経済を押し上げた。ただ消費の低迷や不動産市場の不振が足を引っ張っている」と指摘している。

さらに2023年については、「不動産投資が最低レベルに落ち込み、インフラ投資も2022年の成長を維持できず、加えて世界経済の低迷や輸出の後退で製造業の投資も減速し、極めて悲観的である。よって、取り急ぎ国内消費を回復させねばならず、特に大事なのは国民の将来への自信を回復させることだ」と言う。

消費が伸び悩み、輸出も落ち込むようでは、需給バランスも維持できなくなり、アフターコロナでの経済回復が極めて厳しいものになる。

中国国家統計局によると、2022年1月~10月、一般消費財の小売総額は2021年同期の0.61%増加にとどまり、中でも10月はマイナス0.5%となっている。

(中国経済新聞)