中国の高齢者人口、10年間で8642万人増、2021年末には65歳以上2億人を超え

2022/09/25 13:35

中国の高齢化は加速しており、「中国2010年国勢調査」と「中国2020年国勢調査」によると、中国の高齢者人口はこの10年間で8642万人増加し、5.4ポイントの上昇となった。

省別では、2010年から2020年にかけて、山東省、河南省、江蘇省、河北省、広東省、四川省の6省で60歳以上の人口が500万人以上増加しており、いずれも定住人口が7000万人を超える人口の多い省となっている。

中でも山東省の高齢者人口は過去10年間で709万人増加して増加率で1位となっており、2位の河南省よりも100万人以上多い。高齢者人口全体から見ると、山東省の高齢者人口は2020年には2122万人に達し、中国で唯一、高齢者人口が2000万人を超える省となった。2位は河南省で、過去10年の間に高齢者人口が596万人増加し、河北省では高齢者人口が547万人増加している。

2010年、中国で高齢者人口が1000万人を超えたのは、山東省、四川省、江蘇省、河南省、広東省の5省であったが、2020年には山東省、江蘇省、四川省、河南省、広東省、河北省、湖南省、浙江省、湖北省、安徽省、遼寧省の11省となった。

60歳以上の人口比率で見ると、中国の高齢者人口は2020年には18.73%となり、2010年比で5.4ポイント増加した。省別では、遼寧省、黒龍江省、吉林省、天津市、上海市、内モンゴル自治区の6省で高齢者人口の割合が8ポイント以上増加し、また、山西省、北京市でも高齢者人口の割合が7ポイント以上増加している。

なぜ、この10年で東北地方における高齢者人口の割合が最も増えたのか?吉林大学東北アジア研究所の衣保中教授によると「1950年代から60年代にかけて出生率が高く、近年はこの層が相次いで老齢期を迎えていることや、景気の悪化や産業発展の不十分さ、雇用機会の減少などから、多くの若者が東南沿岸部などに移り住んでおり、こうした若者の流出が高齢化の加速にもつながっている。また、東北地方は工業化や都市化が早く、企業は国有企業が中心のため、働いている人の多くが国有企業、行政機関に所属している。中国では、こうした公務員に対しての産児制限が厳しいため、一人っ子の割合が高く、出生率は相対的に低くなっている」

9月20日、国家衛生健康委員会によると、2021年末には、60歳以上の高齢者人口が2.67億人に達し、総人口の18.9%を占め、65歳以上の高齢者人口においては2億人を超え、総人口の14.2%を占めている。2035年には60歳以上の高齢者が4億人を超え、総人口の30%を超え、超高齢化社会を迎えると予想されている。

(中国経済新聞)