新型コロナウイルスが世界的に落ち着き、入国時の隔離を廃止する動きが広まる中、国際都市である香港でも大幅に緩和する策が打ち出されそうである。医療衛生局の次期局長である盧寵茂氏は、就任後に入境規制を緩和すると表明しており、検疫期間を現在の7日間以上から5日間以下に短縮し、防疫を実施した上で様々な回復措置を行うとのことである。
盧氏は6月23日、「現在、香港を訪れる人のうちコロナ感染者は1%程度であり、感染者が早期発見できれば、条件付きで検疫日数を5日間あるいはそれ以下とする」と表明した。一方で、自宅隔離や「定点移動」という策も取り入れるほか、政府もPCR検査のスピードや数、正確性を改善すべきとしている。
香港入りの際の隔離措置について、中国本土やマカオからの場合、香港居住者の帰宅については「回港易」を申請して資格があれば免除、また非居住者による訪問はワクチンの接種2回で7日間の自宅隔離とすることができる。一方、台湾および海外からの渡航者の場合、予約済みの検疫ホテルでの隔離が必要で、期間は、陰性証明およびワクチン接種完了を提示すれば最短で7日間、ワクチンを接種していなければ14日間となる。また検疫期間中は、渡航元を問わず、PCRまたは抗原検査を複数回受けなくてはならない。
こうした隔離措置は、最長で21日間となっていた2021年後半に比べれば緩和されているが、撤廃の動きが広まっている中ではかなり厳しい方である。シンガポールは4月26日より、ワクチン接種証明を提示すれば出発前の検査も入国後の隔離も不要としている。
香港は、林鄭月娥長官が6月30日に任期を終え、7月1日より就任する李家超氏が新政権のメンバーを率いてコロナ対策を執り行う。
(中国経済新聞)