中国企業武勇伝① 「DeepSeek」創業者の梁文峰氏、「首富」への軌跡

2026/07/28 12:30

中国のAIスタートアップ「DeepSeek」の創業者である梁文鋒(りょう・ぶんほう、31歳)氏が、世界のAI大規模言語モデル(LLM)の実業家として初めて「首富(長者番付NO・1)」に輝いた。ブルームバーグのビリオネア指数によると、梁氏の資産額は360億ドル(約5兆円超)に達し、Anthropic創始者の1人であるダリオ・アモデイ氏や、OpenAI創始者の1人であるグレッグ・ブロックマン氏を上回った。ただこのデータは、lLLM事業を主力とし大部分の収入がこれに由来する純粋なAI企業に限定されたものであり、アリババやテンセントのような多角経営の大手、またデータセンターや半導体供給会社は除外されている。

 梁氏の資産が急増した直接的なきっかけは、2026年6月に実施したDeepSeekの大型資金調達だ。約500億元(約1兆円)が集まり、企業評価額は3300億元を超えたとされる。梁氏自身も200億元(約4795億円)を出資し、ブルームバーグによると持株率は希薄化した後も約78%を維持しているという。資産の大部分がこの所有株であることから、評価額の上昇がそのまま自己資産額の急騰につながった。

 しかしこの成功は、一夜にして訪れたものではない。梁氏の創業人生は2008年ごろから十年余りにわたる長い道のりだ。量化金融(クオンツ)の舞台でAIを武器に急成長し、そこから汎用人工知能(AGI)開発へと大胆に転身した異色の軌跡が、今日の「世界LLM創業者首富」を生み出した。

 学業の道から量化の舞台へ

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