大学で管理系学科の廃止相次ぐ 外国語系でも募集停止広がる

2026/05/9 08:30

中国の大学で、管理系学科を中心に学士課程(学部)専攻の廃止や学生募集停止が相次いでいる。新興産業の急速な発展に伴い、高等教育の学科構成にも産業構造の変化や高度化への対応が求められており、近年は学科の統廃合が加速している。一方で、人工知能(AI)関連の新設学科も増えている。

山東省の済南大学はこのほど、公式サイトで「2026年学科調整状況」を公表した。2026年時点で教育部に登録されている学部専攻は90専攻となり、新たに「量子情報科学」と「航空機制御・情報工学」の2専攻を新設する一方、「編集出版学」「情報・計算科学」「電子商取引」「電子情報科学技術」「環境科学」の5専攻を廃止した。

特に電子商取引専攻は近年、重点的な整理対象となっている。中国メディアによると、電子商取引専攻は2020〜2024年に「双一流」大学で最も廃止・募集停止が多かった専攻で、年々その動きが強まっている。2024年だけでも、西北工業大学や四川大学を含む9校の「双一流」大学が同専攻の募集を停止した。

中国では2020年時点で563大学が電子商取引専攻を設置していた。電子商取引分野はコンピューター、企業経営、インターネットマーケティング、法律など幅広い分野にまたがるが、卒業生からは「業界の変化が速すぎ、各プラットフォームのルールも異なるため、大学教育が実務と乖離している」との声も上がっている。

各地でも学科再編が進んでいる。江蘇省では、大学が新たに151の学部専攻を増設した一方、「電子商取引」「観光管理」「アニメーション」「美術学」「マーケティング」「経営学」「労働・社会保障」「土地資源管理」「公共事業管理」「放送学」「保険学」「広告学」「日本語」「朝鮮語」など55専攻を廃止した。

四川省では120専攻を新設する一方、33専攻を自主的に廃止した。対象は「ホテル管理」「文化産業管理」「プロダクトデザイン」「服飾デザイン」「給排水科学・工学」「交通運輸」など、就職との適合性が低い、あるいは類似専攻が多い分野に集中した。

内モンゴル自治区でも17大学で53専攻が新設された一方、社会需要の飽和や就職率の低さを理由に23専攻が廃止された。江西省でも2025年に学部専攻40件が廃止された。

全体として、現在特に廃止が多い分野は、管理系、芸術系、外国語系、そして一部の工学系・人文社会系専攻となっている。

浙江財経大学は2025年、「都市管理」「資産評価」「保険学」「信用管理」「物流管理」「国民経済管理」「日本語」「中国語国際教育」の8専攻の募集を停止し、「公共事業管理」と「デジタルメディア芸術」の2専攻を廃止した。

芸術系専攻でも整理が進んでいる。2025年に複数大学が公表した廃止予定専攻リストでは、「視覚伝達デザイン」「服飾デザイン」「環境デザイン」「プロダクトデザイン」などが多く含まれた。

廈門大学経済学部の丁長発副教授は、中国メディア「第一財経」に対し、「AIの発展によって多くの分野が大きな影響を受けている。特に芸術・デザイン分野への影響は非常に大きい」と分析した。

また、外国語系専攻もAIの影響を強く受けている。近年、多くの大学で外国語専攻の廃止や募集停止が進んでいる。上海財経大学は2025年、英語を含む12専攻の募集停止を公表。華東師範大学もドイツ語、翻訳を含む24専攻の募集停止を発表した。

こうした背景には、AIを中心とする新たな技術革新がある。AIは教育分野にも急速に浸透しており、各専門分野と融合した「AI+」型の新しい複合専攻が次々と誕生している。

丁氏は、「AIは多くの産業構造を変え、あらゆる学問分野に浸透している。AIと各学問分野との融合は今後さらに加速し、複合型・新興型専攻が一層増えていくだろう」と指摘する。

芸術分野でも、一部専攻が廃止される一方、新しい芸術系専攻が学部専攻一覧に加わり始めている。業界では高品質コンテンツや技術革新への需要が高まっており、今後は学際的能力と国際的視野を兼ね備えた創造型・技術融合型人材が競争力の鍵になるとみられている。

(中国経済新聞)