蘇寧易購、純利益5814万元に大幅減益 海外展開と即時小売を加速

2026/03/31 15:03

中国の家電量販大手であるSuning.com Co., Ltd.(蘇寧易購、002024)は3月31日、2025年通期決算を発表した。売上高は489億5800万元(約1兆円弱)で前年同期比13.79%減、親会社株主に帰属する純利益は5814万元(約12億円)と同90.48%の大幅減益となった。非経常損益を除いた純損益は44億1400万元の赤字(約900億円の赤字)だった。

同社はこれで2年連続の最終黒字を確保したものの、収益力の低下が鮮明となっている。営業活動によるキャッシュフローは23億5800万元(約480億円)で、前年から48.57%減少した。

四半期別では、2025年第1~第3四半期はいずれも黒字を維持したが、第4四半期は1519万元(約3億円)の最終赤字に転落した。需要の鈍化や政策効果の減衰、前期の反動減などが影響したとみられる。

同社は、補助金政策の効果が薄れる中で、自社の収益創出力をいかに高めるかが課題だと指摘。加えて、製品の同質化や価格競争の激化といった業界全体の構造問題も収益を圧迫している。2025年の家電・消費電子分野の粗利益率は12.44%と、前年から2.62ポイント低下した。

店舗再編と構造改革

店舗網では、2025年末時点でショッピングモール型店舗が37店、家電・3C・生活関連の専門店が853店、フランチャイズ形態の小売クラウド店が9401店となった。一方、専門店は年間で130店純減となった。

同社は近年、新規出店と閉店を繰り返しながら店舗構造の見直しを進めており、2025年はスーパー業態の縮小と大型店戦略の推進が中心となった。第1~第3四半期は既存店売上が堅調に推移したものの、第4四半期は市場環境の悪化により大きく落ち込んだ。

AI・海外展開・即時小売に活路

こうした中、同社は新たな成長戦略として人工知能(AI)、海外展開、即時小売を打ち出した。AI分野では、業務効率化やサプライチェーン高度化を進めるとともに、企業向け調達プロセスの再構築にも取り組む。2025年の研究開発費は2億3600万元(約50億円)と、前年から16.55%増加した。

また、即時配送型の小売事業を強化するほか、海外電子商取引にも本格参入。2025年第4四半期から東南アジアおよび米国市場で販売を開始しており、今後は海外事業基盤の拡充を進める方針だ。

財務負担が重荷に

一方、財務面の課題も依然として重い。2025年末時点の現金および現金同等物は22億7400万元(約470億円)に対し、短期借入金と1年以内返済予定の長期借入金の合計は278億1200万元(約5700億円)に達する。利息支払いや資産売却による債務返済などの影響で、現金残高は年間で9億800万元(約180億円)減少した。

老舗家電小売大手として再建途上にある同社にとって、債務圧力を抱えながら新規事業へ投資し、持続的な成長軌道を描けるかが今後の焦点となる。特に2025年第4四半期の赤字からの立て直しが急務となっている。

(中国経済新聞)