中国の電子商取引大手、Alibaba Group Holding Limited(阿里巴巴集団)が3月19日に発表した2025年10~12月期(第3四半期)決算は、増収を確保した一方で、利益は大幅な減少となった。積極的な先行投資が収益を圧迫したとみられる。
売上高は前年同期比2%増の2,848億4,300万元(約5兆9,000億円)で、市場予想をやや下回った。これに対し、調整後純利益は67%減の167億1,000万元(約3,500億円)と大きく落ち込み、予想を大幅に下回った。
営業利益は74%減の106億4,500万元(約2,200億円)、調整後営業利益(減価償却費などを除く利益)は57%減の233億9,700万元(約4,900億円)となった。営業活動による現金収入は49%減、自由現金流は71%減と、資金創出力も低下した。期末の現金および流動資産は5,601億7,500万元(約11兆6,000億円)だった。
一方で、すでに売却した高鑫小売や銀泰商業の影響を除いたベースでは、売上高は9%増となり、基盤事業の成長は維持されている。

事業別では、中国国内の電子商取引事業の売上高が6%増の1,593億4,700万元(約3兆3,000億円)となった。中でも即時配送を含む即時小売事業は56%増の208億4,200万元(約4,300億円)と大きく伸び、会員サービスの利用者数も5,900万人を超えた。
海外事業を担う国際デジタルコマース部門は4%の増収となり、物流の効率化などにより赤字幅は大幅に縮小した。
成長分野であるクラウド事業は36%増の432億8,400万元(約9,000億円)と高い伸びを維持し、人工知能(AI)関連製品の売上は10四半期連続で大幅な増加を記録した。
AI分野では、大規模言語モデル「通義千問(Qwen)」の高度化を進めるとともに、関連サービスの連携を強化。利用者は拡大し、月間利用者数は3億人を超えた。また、半導体分野では自社開発の画像処理装置の量産も進めている。
もっとも、こうしたAIや即時小売への投資負担が利益を押し下げ、全体の収益性は低下した。米国株の時間外取引では、同社株が一時4%超下落する場面もあった。
成長分野への投資を優先する戦略のもと、売上の拡大は維持しているアリババだが、収益性とのバランスをどう確保するかが今後の課題となる。
(中国経済新聞)
