中国、化粧ブラシの郷

2025/12/7 10:00

河北省青県では、いま“小さな化粧ブラシ”が地域経済を大きく押し上げている。

12月も、毎日のように、県内の化粧ブラシメーカーでは、従業員が次々と製品を包装する姿が見られた。青県の化粧ブラシ産業は1990年代に、海外ブランド向けのOEM(受託生産)からスタート。技術とノウハウを蓄積しながら販路を広げ、現在では自社ブランドを展開するまでに成長している。

近年は、産業の競争力をさらに高めるため、企業間の産業アライアンス設立や新素材の研究開発、越境ECプラットフォームへの進出などを積極的に推進。こうした取り組みによって製品の付加価値は高まり、販売先も国内から海外へと大きく広がっている。

その成果は数字にも表れている。青県の化粧ブラシ関連企業の年間売上高は約30億元(約300億円)に達し、中国軽工業連合会から「中国化粧ブラシの郷」に認定されるなど、国内外から高い評価を得ている。

中小企業が集積し、技術革新と市場戦略を積み重ねて確立した“青県モデル”。小さな化粧ブラシが生み出す「美容経済」は、これからも地域の発展を力強く牽引していきそうだ。

(中国経済新聞)