2025年11月18日、小米(シャオミ)グループは2025年第3四半期の業績を発表した。四半期の売上高は1,131億元(約2兆2,620億円)となり、前年同期比22.3%増加した。これにより、売上高は4四半期連続で1,000億元を超えた。また、経調整後純利益は113億元(約2,260億円)で、前年同期比80.9%増と過去最高を更新した。
事業別にみると、スマートフォンとAIoTで構成される主要分野の売上高は841億元(約1兆6,810億円)で、前年同期比1.6%増となった。スマートフォン事業の売上高は460億元(約9,200億円)で、出荷量は9四半期連続で前年同期を上回り、世界市場でも21四半期連続でトップ3を維持した。IoTおよび生活消費製品の売上高は276億元(約5,520億円)で5.6%増、インターネットサービスの売上高は94億元(約1,880億円)で10.8%増となった。インターネットサービスでは、海外収入が33億元(約660億円)、広告収入が72億元(約1,440億円)に達し、いずれも過去最高となった。

一方、スマート電動車とAIを中心とした新規事業分野の売上高は290億元(約5,800億円)に拡大し、前年同期比で約199%の増加となった。そのうちスマート電動車の売上高は283億元(約5,660億円)で、その他関連収入が7億元(約140億円)となっている。同分野は今期、単四半期として初めて黒字に転じ、7億元(約140億円)の営業利益を計上した。また、2025年第3四半期の新車出荷台数は108,796台となり、過去最高を記録した。
財務状況としては、2025年9月30日時点の現金および現金同等物が355億元(約7,100億円)、現金準備が2,367億元(約4兆7,340億円)となり、堅調な資金基盤を維持している。
費用面では、研究開発費が91億元(約1,820億円)となり、前年同期比52.1%増加した。これはスマート電動車およびAIに関連する開発費用の増加や、研究開発人員の給与増によるものとされる。販売およびプロモーション費は83億元(約1,660億円)で、前年同期比32.3%の増加となった。小米之家や自動車販売店の拡大に伴う費用に加え、広告宣伝や物流費用の増加が影響した。このうち、広告宣伝費は22億元(約440億円)で前年同期比21.6%増となっている。一般管理費は18億元(約360億円)で、30.6%増加した。これは主に管理部門の人件費が増加したことによる。
従業員構成については、2025年9月末時点で全職員数が56,231人となり、そのうち53,662人が中国本土に勤務している。研究開発人員は24,871人であり、複数の部門に配置されている。小米グループが引き続き研究開発分野への積極的な投資を継続していることがうかがえる。
以上の内容から、2025年第3四半期の小米グループは、主力事業の堅調な推移に加え、新規事業であるスマート電動車の成長が全体業績を大きく押し上げたことが確認される。今期の初の単四半期黒字化は、同社がEVメーカーとして本格的に市場で存在感を強めつつあることを示している。
(中国経済新聞)
