范冰冰、マレーシア名誉拿督の称号を授与される

2025/08/28 07:30

中国を代表する女優、范冰冰(ファン・ビンビン)がマレーシアで名誉拿督の称号を授与された。この栄誉は、マラッカ州元首トゥン・モハマド・アリ氏によって直接授与されたもので、華人スターとしてこの称号を受けるのは、ジャッキー・チェンなどごくわずかな人物に限られる。范冰冰のエンターテインメント業界での功績とマレーシアへの貢献が認められた瞬間だ。

范冰冰は16歳の時に、台湾の著名な脚本家・瓊瑤(チョン・ヤオ)のドラマに出演し、一躍有名になった。その後、2003年に馮小剛(フォン・シャオガン)監督の映画『手機』(原題:手機)で主演を務め、中国トップ女優としての地位を確立。彼女の演技力と魅力は観客を魅了し、第一線での活躍が続いた。さらに、個人スタジオを設立し、映画やドラマの製作に携わり、国際的な映画祭やハリウッドでの活動を通じてグローバルな影響力を拡大。フォーブス中国セレブリティリストでは長年にわたり首位を維持し、中国エンターテインメント業界の象徴的存在となった。

しかし、2018年の「税務調査の嵐」によって、彼女のキャリアは大きな試練に直面した。脱税疑惑により当局の調査を受け、多額の罰金を支払うこととなり、中国国内での芸能活動は事実上停止。彼女は中国芸能界から事実上の追放を受け、再び国内で演技の機会を得ることが難しくなった。この事件は彼女のキャリアに深刻な打撃を与え、国内外で大きな議論を呼んだ。

范冰冰はその後、マレーシアでの新たな挑戦を始めた。2024年5月、彼女はマラッカ観光年の親善大使に就任。この役割を通じて、彼女はマラッカの魅力を世界に発信し、驚異的な成果を上げた。公式データによると、彼女の大使就任後、マラッカに関連するオンライン検索数が12億回急増し、特にマラッカ海峡の検索数は4.45億回に達した。この数字は、彼女がマレーシアの観光振興に大きく貢献したことを示している。

名誉拿督の授与式では、マラッカ州元首が自ら范冰冰に称号を授与し、彼女への敬意と信頼を表明した。この式典は、彼女の貢献を公式に称えるとともに、今後もマレーシアの魅力を発信し続けてほしいという期待を込めたものだった。范冰冰は淡い緑色のマレーシア伝統衣装をまとい、シンプルながらも彼女の美しさを引き立てる装いで登場。43歳とは思えない若々しさと、成熟した女性の魅力が融合した姿は、会場を魅了した。彼女の顔には歳月の跡はほとんど見られず、自信と気品に満ちた佇まいが印象的だった。

(中国経済新聞)