復星医薬は子会社である復宏漢霖に対し、非公開化する計画は頓挫したものの、株式保有率を増強することになった。
復星医薬は4月21日夜、「復宏漢霖の将来性への期待や価値を評価した上で、2025年4月11日から4月17日の間に、上海善梧、無錫通善、舟山果運、Henlinkの4社が所有していた非上場の復宏漢霖の株式計2103.43万株を、持ち株子会社である復星医薬産業が24.60香港ドル/株で譲り受けることで合意した」と発表した。譲渡分は金額にして計5.17億香港ドルとなる。
この取引により、復星医薬による復宏漢霖への株式保有率はこれまでの59.56%から63.43%に増加する。
復星医薬の執行取締役である関暁暉氏が無錫通善の株主であるHermedCapitalの取締役を兼務していることから、今回の取引は関連取引となる。
復星医薬は2024年6月24日に、最大およそ54.07億香港ドルで復宏漢霖を非公開化する計画を発表したが、今年1月に行われた復宏漢霖の株主会での投票結果により実行は見送られた。

復宏漢霖は今年に入り、流通市場で株価が40%以上も値上がりしている。2024年は売上高が約57.24億元、純利益が約8.21億元で、2年連続で製品販売による黒字を達成しており、現在は海外展開に取り組んでいる。
復宏漢霖の薬政事務部の李錦副総裁は先ごろ開催したグローバル開発デーのイベントで、「国際化サイクル1.0(海外での会社設立、上場)を果たしており、これからは国際化2.0の本格段階に入る」と述べていた。
李副総裁は、「これからの国際化は、現地での商業化運営をさらに進めるもので、また日本市場を突破口として現地で運営スタッフを設ける」と述べ、パートナーを作るか、自社で商業化へのスタッフを発足させる可能性を示した。
李副総裁は、「日本は医薬品の需要が増え続ける中で新薬の開発が進まず、需給がアンバランスになっているので市場参入するには好機だ。日本を軸に国際化2.0戦略を進めており、胃がんや肺がんの中心線となるHLX22やセルプルリマブ(HLX10)といった差別化製品をベースに取り組みを加速する。すでに日本で臨床実験に入っており、開発に合わせて基礎固めをする」と述べた。
また同社の朱俊執行取締役兼CEOも、「世界をアメリカ、EU・イギリス、日本、東南アジア、中東、中南米の6地域に分ける。それぞれ特徴があって、別々の取り組みを展開する」と述べている。
(中国経済新聞)