米国防総省は6日、ゲームや通信アプリの微信(ウィーチャット)、動画配信サービスを手がける中国IT大手の騰訊控股(テンセント)、中国の電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)を、中国軍と関連がある「中国軍事企業」に指定することを決めたと明らかにした。7日付官報で公示する。
国防総省は中国が先端技術を軍事部門に生かす「軍民融合」を推進しているとして警戒を強めている。既に中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を指定している。国防総省は法律に基づき、中国軍事企業のリストを議会に報告することを求められている。
騰訊控股(テンセント)は、アメリカ国防総省により「中国軍事企業」(法律で定められた「第1260H条リスト」)に指定されたことについて、「明らかに間違っている。当社は軍事企業でもそのサプライヤーでもない。輸出規制などとは異なり、今回のリスト掲載がわれわれのビジネスに影響を与えることはない。それでも当社はアメリカの当局とともに、誤解に対処していく」とコメントした。
また同じく1260H リストに加えられたCATLも、「間違いだ。軍事関連の活動には関与していない」と表明した。
この1260Hリストについては、対象となりながらも数か月後に削除されたというケースが過去に何度もあった。中国では中微公司(AMEC)、IDG資本、中国国際工程諮詢(CIECC)、福建火炬電子科技、中芯国際香港(国際)なども、一時は対象となったが後に削除されている。
CMCリストから削除する方法はおおむね以下の2通りがある。①行政側での対応。担当部門である国防総省に対し、説明や釈明をする情報や証明書類を提出することで削除する。②訴訟による対応。制裁実施部門を相手取り、制裁の撤回または審査のやり直しを求めて裁判所に提訴し、改めて決断をさせる。
テンセントもCATLも、事業には支障がないとはいえ株価は急落している。テンセントは、1月6日の終値は409.40香港ドル/株(約8300円)であったが、翌7日は寄り付きで380.60元/株(約7717円)と7.5%以上も値下がりし、CATLも同じく256.75元/株(約5206円)から243.00元/株(約4927円)へと5.6%以上も値下がりした。
(中国経済新聞)