半導体市場の調査会社TechInsightsの最新レポートによると、2024年第3四半期、世界のスマートフォンの出荷台数は前年同期比3.8%増の3.077億台で、4期連続の前年増となった。このうちパソコン世界最大手である中国のレノボ・グループ傘下の米モトローラは、伸び率が会社別で最も高い26%で、順位も7位に浮上している。
TechInsightsはスマホ市場の回復について、新興国の需要が急激に増えていることが主な理由としている。アフリカ、中東、中南米、アジア太平洋地域でかなり好調であり、回復の原動力となっているという。
モトローラは世界各地でほぼ安定成長しており、この四半期は富士通を買収した効果が表れ始めた。TechInsightsによると、日本ではモトローラと富士通(Arrows)のスマホ出荷台数が合計で70万台近くとなり、モトローラが初めて(アップル、グーグル、シャープに次ぐ)4位以内に食い込む模様である。また北米ではプリペイド市場での着実な商品打ち出しが功を奏し、3位を維持して市場シェアは過去最高の12%となった。さらにインドでも出荷台数が2倍以上に増え、好調を維持している。
複数社のデータとりまとめ結果を見ても、モトローラが世界的に好調であることがうかがえる。Counterpointの2024年Q3の市場データによると、世界のスマホ販売量は前年同期より2%増えており、Q3としては2018年以来の前年増となった。このうちモトローラは上位10社で最も高い30%近い増加を果たし、影響力が徐々に拡大するにつれてシェアも10年ぶりの高水準となった上、販売数も四半期としては過去最高であった。
スマホをそれぞれタイプ別に市場分析すると、IDC の2024年第2四半期のデータとして、縦折り機種ではモトローラが30.8%のシェアでトップだった。レノボは今年に入ってから、4月にまず中国でAIのPCを発表したほか、同じくAIのスマホ、薄型PC、イヤホンなど、様々なAI端末商品を開発している。レノボの個人向けAIスマート機器は今後、設備やプラットフォームを結び付け、「マルチ機器」としてシームレスで安全な形を利用者に届ける。設備や仕組みの枠を超えたスマート機器はどんどんと利用者を掌握して、いずれは「双子の片割れ」のような存在になるだろう。
(中国経済新聞)